マイクロソフト、汎用素材が高価な溶融シリカに代わる「Project Silica」長期データ保存システムへの応

Microsoft Research Cambridgeは、科学誌『Nature』にホウケイ酸ガラスの有用性に関する研究成果を発表

マイクロソフトの研究チームは、レーザー刻印されたガラスを使い最大1万年も保存できるアーカイブ用データストレージシステム「Project Silica」において、大きな進展があったと報告しました。

同プロジェクトを担当するMicrosoft Research Cambridgeのチームによると、これまで記憶媒体として使用されていた高価な溶融シリカは、一般的なホウケイ酸ガラスに置き換えられるとのことです。研究チームはこのガラスについて、「入手しやすく低コストの媒体であり、キッチン用調理器具やオーブンの扉にも使われているものと同じ素材」と説明しています。

このブレークスルーは、特にコストや供給面における、技術の商業化に向けた主要な障壁を解消するものになると述べています。この研究成果は科学誌「Nature」に掲載されました。

2019年11月に初のデモが行われた「Project Silica」は、フェムト秒レーザーを使い、さまざまな深さや角度で三次元ナノスケールのグレーティングや変形を作り出すことで、ガラスにデータを記録します。これまでは純粋な溶融シリカガラスでのみ動作することが確認されていましたが、このガラスは製造が比較的難しく、入手できる供給元も限られていました。

しかし、Microsoft Research Cambridgeが発表した新たな研究成果では、データをホウケイ酸ガラスにデータ保存が可能になったことが示されており、そこには「重要な改善」があります。この技術は、これまでと同様に厚さ2mmのガラスに数百層のデータを保存できますが、この新しい素材ではガラスを読み取るために必要なカメラがそれまでの3〜4台ではなく1台のカメラで済むため、コストとサイズが削減されます。

さらに、書き込み装置に必要な部品も少なくなることで、製造や校正が容易になり、より高速なデータの書き込みが可能になります。

「ガラスは水、熱、ほこりに強い永続的なデータ保存素材です」と、Microsoft Research CambridgeのパートナーリサーチマネージャーであるRichard Blackは、研究成果をまとめたブログを投稿しています。

「私たちは、高速な並列書き込みの仕組みを解明し、記録済みガラスに対して加速劣化試験を可能にする技術を開発しました。これにより、少なくとも1万年はデータ保存できることを示唆されています。」

2024年、DCDは初期のProject Silicaプロトタイプにサイト全体をアーカイブしており、長期保管の履歴を紹介しました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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