
AI需要の急増でデータセンター建設の労働力不足が深刻化、スキル不足への圧力も高まる
一方で、需要増は急速な雇用創出につながる
AI向けデータセンターの需要拡大が、労働力不足やスキル不足を深刻化させ、世界の建設市場への圧力を強めていることが、Turner & Townsendの報告書で明らかになりました。
一方で同社は、AIインフラの成長によって今後数年間で急速な雇用創出が進み、「革新的な新しい建設手法」を促進するとの見通しを示しています。
Turner & Townsendの「グローバル建設市場インテリジェンス(Global Construction Market Intelligence)」報告書によると、世界の建設需要は、データセンター分野と産業・物流分野において最も高いようです。また、再生可能エネルギーおよびクリーンエネルギー分野も需要が大幅に増加しています。
地域別では、建設労務費が最も高いのは北米で、EUがそれに続きました。労務費上昇の主な要因は、人材確保の難しさです。オーストラリアとニュージーランドでは労働力不足が最も深刻で、EU、アジアがそれに続きました。
報告書の対象となった市場の約71%で、人材不足が発生していることも明らかになっています。
Turner & Townsendは現在の市場を「二極化した市場」と表現しています。地政学的な緊張と経済的課題に加え、労働力不足やサプライチェーンの制約が従来の建設分野への投資家の信頼感を抑制する一方で、AIインフラ関連には投資が集中していると指摘しています。
請負業者やサプライヤーは、一般的に利益率が高いデータセンターなどの「テクノロジー主導型」案件へ注力するようになっており、住宅や商業施設といった従来分野は、事業の採算性の再評価、戦略の見直しを迫られています。
さらに同社は、AIの成長によってデータセンターが請負業者の施工能力に関して「世界で最も供給制約の厳しい分野」になったと指摘しており、分析対象となった112の市場のうち70%以上で、そのキャパシティが逼迫、または限界に近い状態にあるとしています。
これに対し、ホテル・レジャー施設、住宅、商業施設などの伝統的な分野では、79%の市場で需給バランスが取れている、もしくは余剰施工能力が存在していました。
Turner & Townsendは、「データセンター建設に必要な熟練労働者の不足が深刻となる可能性」が高まっているとし、より積極的な人材育成や人材確保への取り組みを求める声が強まっていると述べています。
こうした変動の激しい状況であっても、建設資材のコストは安定化しており、新型コロナウイルス流行後に構築されたサプライチェーンの回復力によって、マクロ経済への影響は限定的だとしています。
Turner & Townsendで不動産コストマネジメント部門マネージングディレクターを務めるStephanie Marshallは、次のように述べています。「世界の建設市場は変化しており、新たな力学が建設コストの主要因を変えつつあります。需要はますます偏在し、データセンターのようなAI主導の分野へ集中しています。その一方で、より広範囲に労働力が不足し、サプライチェーンが不安定化、さらに地政学的リスクはより顕著になっています。」
「データセンター建設に必要な熟練労働者の供給拡大が需要の伸びに追いついていないという、現実的なリスクがあります。建設業界においてAIは雇用創出の原動力となる可能性がありますが、それを実現するにはAIを支える適切な支援体制の整備が不可欠です。また、中東情勢の緊張によるエネルギー価格への影響は間接的かつ地域ごとに異なり、サプライチェーンの構造やエネルギー依存度に応じて地域やセクターごとの差も生じるでしょう。」
本記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
















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