AT&TがGoogle Stadiaと提携し、クラウドゲーミングのデモを実施

失敗したサービスを再パッケージ化して2015年のゲームを宣伝

AT&Tは、Googleのクラウドゲーミングサービス「Stadia」を利用したブラウザベースの「Batman: Arkham Knight(バットマン:アーカム・ナイト)」を同社のワイヤレス利用ユーザーに向けて提供を開始しました。

Googleのコンシューマー向けゲームストリーミング市場への参入はほぼ失敗に終わったと考えられており、今回のトライアルサービスでは、Stadiaブランドについて一切触れられてはいません。

2019年に大々的なローンチを行い、データセンターの力でしか実現できないゲームを約束したStadiaは、ほとんどファンが付かないまま足踏みしています。このサービスはゲームの数も少なく、独占的なゲームもありません。

また、その料金モデルは不評で、そしてこのプロジェクトはGoogleからのサポートをほとんど受けられていなかったようで、1年半後に僅かにAndroidとGoogle TVに搭載されただけでした。

今年の初め、Stadiaの責任者がGoogleのゲーム開発者らに対し「大きな進歩を遂げている」と語った数日後に、Googleは彼らを解雇し、スタジオを閉鎖しました。同社は現在Stadia向けのゲームの開発は行っていないようです。

しかし、Stadiaは消費者向けの側面では失敗に終わったものの、適切な地域で高速インターネットを利用している人たちは、プラットフォーム自体はうまく機能したと報告しています。

現在、GoogleはStadiaの技術をAT&Tなどの企業がゲーム配信に利用できるようホワイトレーベル(=OEM)サービスとして再構築しようと検討していると見られています。

「このデモにはStadiaの技術が使われている」とAT&Tは認めました。「このデモのために、AT&Tはゲーマーが彼ら自身のウェブサイトから直接「バットマン:アーカム・ナイト」をプレイできるようなフロントエンド・エクスペリエンスを構築し、ゲームは事実上あらゆるコンピュータやラップトップでプレイできるようになっている」

「アーカム・ナイト」は、ワーナー・メディア傘下のワーナー・ブラザース・インタラクティブ・エンターテイメントが2015年に公開しました。ワーナーは現在、AT&Tが所有していますが、同社はこれを分離させ、現在ディスカバリー社との合併を進めている最中です。

尚、バットマンのゲームは、コンシューマー版のStadiaでは利用できません。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。