AWSの成長にもかかわらず、アマゾンは第1四半期で38億ドルの損失を計上

AWSのクラウド事業は予想以上に成長したが、会社全体では赤字

アマゾンのAWSクラウド事業は今年第1四半期に大きく成長しましたが、全社では38億ドルの純損失を出し、2015年以来の四半期赤字を計上しました。

クラウドコンピューティングとストレージの需要急増が続く中、アマゾンウェブサービス(AWS)クラウドは前年同期比36.5%増の成長を遂げました。しかし、アマゾンは電子商取引事業の売り上げが鈍化し、コストが増加したほか、電気トラック会社のRivianを買収したことで76億ドルの損失が発生しました。

この発表を受けてアマゾンの株価は10%ほど下落しました。

曇りがちな見通し

アマゾンの四半期決算発表では、実際の総収益は1164億4000万ドルと、予想の1163億ドルをわずかに上回りました。そのうち184億4000万ドルをAWSがもたらし、78億8000万ドルを広告事業で稼ぎました。

この赤字は、アマゾンが株価の変動が激しいRivianに大きく投資したことで説明がつきます。2021年の最終四半期に、Rivianの株式の成長はアマゾンの価値に118億ドルを加えましたが、2021年の終わり頃に掛けてRivianは上場し、その後株式は50%下落して年を終えたことで、アマゾンはその四半期にRivianへの投資で76億ドルの損失を計上しました。

アマゾンのビジネスは絶妙なバランスを保っています。その四半期の営業利益は36億7000万ドルで、一方でAWSは65億2000万ドルをもたらしました。

アマゾンのCEOであるAndy Jassy氏は、声明の中で明るい側面を述べています。「AWSは過去2年間で年率34%、第1四半期では前年同期比37%の成長を遂げており、企業がパンデミックを乗り切り、より多くのワークロードをクラウドに移行する上で、AWSは不可欠な存在となっている」

一方eコマースの不調は、成長の問題であり、これから修正されるはずだとしています。「当社の消費者向けビジネスは、過去2年間で年率23%の成長を遂げ、2020年には前年比39%という驚異的な成長を遂げた。そのためには、Amazonの創業から25年の間に構築したフルフィルメントネットワークを、わずか24ヶ月で2倍の規模にする必要があった」

「現在、私たちは物理的なキャパシティやスタッフの数を追い求めるのではなく、フルフィルメント・ネットワーク全体の生産性とコスト効率を向上させることに全力を注いでいる。私たちはその方法を知っているし、これまでもそうしてきた。特に、インフレやサプライチェーンの圧力が続く中、これには時間がかかるかもしれないが、2020年初頭のパンデミック直前の数ヶ月以来見られなかったレベルに近づいており、配送スピードのパフォーマンスなど、多くの顧客体験の側面で心強い進展が見られると思っている」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。