Huawei、ロシアでのクラウドサービス展開へ加速

モスクワに加えて、サンクトペテルブルクとエカテリンブルクにもデータセンターを構える計画

Huaweiは、ロシアのクラウドマーケットでの影響力拡大に向けて、3つのデータセンターで合計500ラックの契約をしたと発表しました。同社は、非接触型の決済サービス(電子決済のこと)の展開に向けて、ロシアのデータ主権法に準拠するように、データサービスをローカライズしようしています。

サンクトペテルブルク – Pixabay

今回契約をした3つのデータセンターはいずれもロシアの会社で、3Date、IXcellerate、DataProです。ロシアのニュースサイトKommersantの報道によれば、今回の計画が始動した2018年3月の段階で、Huaweiはローカライズされたサービスを提供するために、既にモスクワのデータセンターで80ラックの貸し出しを受けましたが、すぐさま200ラックへと契約を拡張し、年末までに合計500個のラックが必要になるようです。

クラウドサービスを展開するには、ロシア国内にデータセンターが必要

Huaweiの電子決済サービス[Huawei Pay]は、2019年の第1四半期にロシアでサービスが開始される予定です。しかし、ロシアのデータ主権法を遵守するには、データをロシア国内で保管する必要があります。ロシアのデータ主権法では、ロシア国民に関するデータは全て、同国内で管理運用されなければならいと定められているためです。

ロシアは、データ主権法を反故にする企業の取引を停止するのをいとわないでしょう。事実、2016年にはLinkedInがロシア人の顧客データを現地で管理しなかったために、政府によってデータアクセス権をブロックされました。

Kommersant紙では、Huaweiがサンクトペテルブルクとエカテリンブルクのデータセンターも利用することで、ロシアの クラウド 市場におけるプレゼンスを高めようと画策しているのでしょうと報じています。Huaweiもまた、3年以内にロシアのクラウドソリューション市場における“3本の指”に入ることを目指していると語りました。

Huawei Cloudロシアのソリューション・ディレクターを務めるArthur Pärn氏によれば、同社はすでにロシア国内の様々な顧客に22ものクラウドサービスを提供しており、また数千万ドルもの投資を行っているようです。

「Microsoftとは既にライセンス契約を締結しており、わが社のクラウドからソフトウェアを提供するために、他のベンダーとのソリューションにも取り組んでいます。そしてオペレーターにわが社のクラウドを再販する機会を与えることを目的に、彼らと提携を結ぶことも検討している。」と同氏は話しました。

中国の最大のインターネット企業の一つであるTencentはPlayerUnknown’s BattlegroundsとLeague of Legendsというゲームを開発していますが、モスクワにあるIXcellerateのデータセンターに600以上のラックを配置し、ロシアにおけるデータ・ローカライゼーションに取り組み、クラウドサービスを供給しています。

– Data Center Dynamics

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