米チップ輸出禁止でアリババのクラウドスピンオフが頓挫

株価が10%下落

Alibaba(アリババ)は、高度な半導体チップに対する米国の輸出禁止措置により、クラウド事業の分離計画を中止すると発表しました。

この発表を受けてアリババの株価は10%下落し、1株当たり78.23ドルまで下落しました。

米国が中国向け半導体チップに厳しい規制をかけたため、クラウド部門の分離計画は頓挫しました。これは中国政府による軍事利用を防ぐためのものですが、民間企業にも影響を与えます。

アリババは今週発表した第3四半期決算で、「最近米国で先進的なコンピューティングチップの輸出規制が拡大したことで、Cloud Intelligence Groupの先行きに不透明感が生じています。従って、我々は完全なスピンオフを進めず、流動的な状況下でCloud Intelligence Groupの持続可能な成長モデルの開発に集中することを決定しました」 と述べています。

アリババは2023年5月、2023年第1四半期決算説明会の中でクラウド部門を分社化する計画を初めて発表し、さらに組織を6つの事業グループ(Cloud Intelligence Group阿里雲、Taobao Tmall Commerce Group、Local Services Group、Cainiao Smart Logistics、Global Digital Commerce Group、Digital Media and Entertainment)に再編する計画の一環として発表しました。

2023年9月の時点では、同社はクラウド部門のためのプライベート資金調達ラウンドで最大30億ドルの調達を検討していました。

にもかかわらず、アリババはリセットし、結局クラウド部門を分離する計画はなく、代わりに同部門を有機的に成長させると表明しています。同社はまた、部門分離に熱心だった株主への打撃を和らげるため、史上初の年間配当25億ドルを実施する意向を示しています。

株主を安心させるための会社の努力にもかかわらず、アリババの株価は大きな打撃を受けました。

2023年9月、アリババの最高経営責任者(CEO)であり、クラウド部門のリーダーを務める予定だったDaniel Zhang氏が退任しました。会社全体から離れることは予想されていましたが、クラウド部門を辞めるという彼の決断は驚きでした。張氏が退任を決めた理由は不明です。彼の動機は、役割から「離れたい」というものだったと報じられています。

Zhang氏の後任には、Joseph Tsai氏とEddie Wu氏が就任し、リストラの指揮を執っています。Tsai氏によると、クラウド部門は中国の生成AI企業の半分をホストし、中国のハイテク企業の80%にサービスを提供しているということです。米国の先端チップ規制がこれにどのような影響を与えるかは不明です。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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