インドのタクシーサービスOla Cabsが、AWSとMicrosoft Azureから撤退

インドの大手運送会社Ola Cabsは、Microsoft AzureやAWSからワークロードを移行しています。

そして、ワークロード全体を自社傘下のAIクラウドベンチャーであるKrutrimに移行することを選択しています。

この移行は、 マイクロソフトに対する報復です。OlaのCEO兼創業者であるBhavish AggarwalがLinkedInのAIが自分の投稿に政治的イデオロギーを押し付け、投稿を削除していると主張した後のことでした。

削除された投稿は、LinkedInのAIがAggarwalをhe/himではなくthey/themと呼んでいることを批判していました。Aggarwalはこれをスクリーンショットし、「安全でなく、不吉な政治的イデオロギーをインドのユーザーに押し付けている 」と説明するキャプションを添えました。この投稿はLinkedInによって削除され、AggarwalによってXに再アップロードされました。

DCDはLinkedInに連絡し、そのAIがベースにしているモデルが、実際には単に便宜上性別を区別しているだけなのかどうかを確認しました。

Aggarwalはその後、Xに長文の声明を投稿し、「代名詞問題 」を 「インドにはふさわしくない権利を備える政治イデオロギー 」と表現しました。

同氏は、「LinkedInは、インド人の生活に代名詞が必要であり、それを批判することはできないと決めつけています。彼らは私たちをいじめて自分たちに同意させるか、私たちを追い出してしまうのです」 と続けました。

LinkedInがマイクロソフトの所有であり、OlaがAzureの大口顧客であることから、Aggarwalは「来週中にワークロード全体をAzureから自社のKrutrimクラウドに移行することを決定しました」と発表しました。Olaは少なくとも2017年以来、Azureの顧客でした。

同氏はまた、Azureを離れた他の開発者にも、その後Azureに戻らないことを条件に、1年間無料でクラウドを利用できるサービスを提供する予定です。同氏曰く、2,500人以上の開発者がこれを利用するとのことです。

Olaは5月22日までにMicrosoft Azureからの撤退に成功しました。

5月30日付のThe Economic Timesも、OlaがITワークロードをAWSクラウドからKutrimに移行すると報じています。その報道の中で、OlaのAzureからの撤退により、Azureには1日あたり5~25ルピー(6,000~30,000ドル)の収益損失が発生し、AWSへにはの移行により30~40ルピー(36,000~48,000ドル)の損失が発生するとのAggarwalの発言を引用しています。

DCDはマイクロソフト、AWS、Olaにコメントを求めています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Caféが日本向けに抄訳したものです。

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