新会社がイタリアに3つのデータセンターキャンパス計画

Adriatic DC、プーリア州の3か所に2GWの容量構築を計画

新会社がイタリアのプーリア州で、複数の大規模データセンターキャンパスを計画しています。

Adriatic DCは今月、同国南東部のプーリア州全域に複数のデータセンターキャンパスを建設する計画を発表しました。同社によると、「Puglia Data Center Valley」の総容量は、完成すれば2GWを超えるとのことですが、詳細はほとんど明らかにされていません。

Adriatic DCの計画には、バーリの旧Manifattura Tabacchi(タバコ工場)工業地域を200MWのデータセンターに再開発すること、ブリンディジの工業地域に500MWのグリーンフィールド施設を開発すること、Adriatic DC Hubとして知られる2,000エーカーに及ぶ1.5GWのグリーンフィールドキャンパスを建設することなどが含まれると報じられています。

最初の建設地は2026年末までに着工予定で、最初のプロジェクトの初期投資額は約20億ユーロ(23億9000万ドル)だと言われています。

プロジェクトの詳細やスケジュールについては明らかにされておらず、また、開発資金の調達方法に関する詳細も公表されていません。

Adriatic DCのCEOであるLorenzo Avelloは、次のように述べています。「Puglia Data Center Valleyは、南イタリアと南ヨーロッパをAIの新しい地政学の中心に据えるために設立されました。コンピューティングパワーに対する世界の需要は記録的な勢いで伸びています。我々の目標は、確実な実行スケジュールのプロジェクトに戦略的投資を呼び込み、熟練した雇用を創出し、欧州のデジタル主権と国家データセキュリティの両方を強化できる産業プラットフォームを構築することです。」

また、プーリア州には、工業用地、適切なエネルギーネットワーク、良好な海底ケーブルリンク、有利な制度環境が整っているとし、「私たちは、AIという新たなグローバルチェス盤の中で南半球が自らを位置づけることができると確信しています」と話しました。

LinkedInで、同氏はバッテリーエネルギー貯蔵会社ACL Energy、バイオ製品会社Rigreen、バイオマス再生可能エネルギー会社Planetaの創業者兼マネージング・パートナーと記載されています。これらの役職に就く前は、イタリアのエネルギー企業A2aや複数の投資会社で役職に就いていました。

2022年に設立されたACL Energyは、合計5GW以上のアクティブなパイプラインを所有し、そのうち3.5GWはグリッド接続が確保されているとのことです。同社はBWグループのBW ESS部門とパートナーシップを結んでおり、14のプロジェクトで合計約3GWを発電しています。

バーリのリベルタ地区にあるタバコ工場は、1920年代頃に建設され、1980年代初頭から遊休状態となりました。以後、イタリアの国営企業Invimitが所有し、その跡地を改修して使用してきました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。