データセンターを含む3000万ドル規模の韓国の海底都市プロジェクト

蔚山市の水中空間にデータセンターモジュールを設置

韓国政府が資金提供する先駆的な海中都市プロジェクトでは、効率的な海中データセンターの研究が行われる予定です。

韓国海洋科学技術院(KIOST)は、蔚山広域市近郊の韓国南東部沿岸に海底生活・労働空間を構築する373億ウォン(約3080万ドル)規模のプロジェクトを主導しています。このプロジェクトでは、高効率な海中データセンターの調査も行っていくと、蔚山市長は発表会の中で発表しました。

海底サーバー

Kurdoの報道によると、韓国の国家行政機関である海洋水産部の支援を受けたこのプロジェクトでは、海中30mに居住空間を設け、5人が30日間継続して生活し、働くことができると、蔚山市のソン・チョルホ市長が13日の市役所記者会見で述べたといいます。この実験では「高いエネルギー効率と安定性を備えた水中データセンターも運営できるため、データセンターの拡大にも貢献する」と述べています。

データセンターはプロジェクトの一部に過ぎませんが、KIOSTから提供されたコンセプトデザインの画像では、サーバーを含むモジュールが確認できます。

このプロジェクトは、「地震や津波などの海洋災害を早期に警告する海洋観測予測システム」や「水中レジャーや観光」なども含む、幅広い概要を持つと市長は述べています。

「海底ホテルの建設など、ユニークな海洋観光産業の展開に期待が寄せられている」

この「海底空間創出・活用技術開発競争事業」は、政府資金311億ウォンが総事業費の80%以上を占め、5年間の予定で進められています。

宋市長は、このプロジェクトは造船や海洋プラントなどの地域産業との大きな相乗効果があると述べています。また、気候変動への対策にもなると約束しています。「貯蔵技術を提供することで、カーボンニュートラルを導く大きな原動力になると確信している」

また、水中での健康と住民の安全を守るための医療技術や、水中でのエネルギー供給や通信のための技術も開発されると、Aju Business Dailyは報じています。このプロジェクトには、KIOSTのほか、韓国航空宇宙研究院、SKテレコムなど23の機関・企業が参加しています。

KIOSTの研究者であるハン・テクヒ氏は、水中での活動は宇宙で生活するようなものだと語っています。「海底プラットフォームは、宇宙ステーションのように様々な先進海洋科学技術の集合体である。プロジェクトを成功裏に次の段階へ導くために最善を尽くしていく」と述べています。

蔚山が選ばれた理由は、潮の満ち引きや水温、地質的に安定した海底に加え、海洋プラント産業が存在するためです。

現在、海中データセンター建設への関心は高く、中国と米国でプロジェクトが進行中です。中国のハイランダー社は、水深20mに無人で稼働する商用海中データセンターを建設中です。一方、米国のSubsea Cloud社は、物理的なハッキングを防ぐという理由だけで、更に深い水深3,000mに沈めるデータセンターを約束しています。

このアイデアは、2015年に初めて米国海域にサーバーラックを沈め、海底からAzureのクラウド運用を提供したMicrosoftのProject Natickから始まりました。その後、スコットランドのオークニー諸島沖で2年間のプロジェクトが行われました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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