Subsea Cloud社がシンガポールに水中データセンター
水中ポッドはシンガポールのデータセンターの課題を緩和することができる~Subsea創業者は語る
水中データセンターのSubsea Cloud社は、シンガポールの海岸にユニットを配備するために動いているといいます。
Subseaの創業者Maxie Reynolds氏のブログによると、深海に沈む施設を提案する同社はシンガポールのデータセンター業界を苦しめているエネルギーと持続可能性の問題を緩和するために、シンガポールに海底ポッドを届けたいと考えているとのことです。
「我々は現在、政府機関や地元企業と協力して、この地域に海底ポッドを配備し、持続可能でスケーラブルなデータセンターを実現しようとしています 」と、今週LinkedInに投稿したReynolds氏は言います。
同氏 は本日、サンタクララで開催されるDCDのイベント「Connect Silicon Valley」で講演を行う予定です。
シンガポールは、エネルギー使用量が多いことを理由に、2019年からデータセンターの新設をモラトリアム(一時停止)していました。同国では、約70の施設あり国全体の電力の7%以上を使用しています。またほぼすべての電力(96%)を天然ガスから得ているため、そこに設置するデータセンター事業者は、再生可能エネルギーを使用するという約束を果たすことができず、地球温暖化を助長することになります。また、国土が非常に狭いため、利用可能な土地は限られています。
2022年1月、国はモラトリアムを解除すると発表しましたが、新しいデータセンターに適用される条件は明確ではありません。
シンガポールのKeppelは以前、浮体式データセンターパークの設置を検討しており、同国では浮体式太陽光発電所の開発も進めており、Facebookは2021年に同国の洋上太陽光発電所から電力を購入すると発表しています。
Reynolds氏 は、3,000mの深さまで展開できるSubsea社の水中ポッドが、シンガポールの課題に応えられると言います。「使用電力が40%少なく、二酸化炭素排出量を大幅に削減し、完全に自然エネルギーで駆動することができ、シンガポールの自然の地形を利用し、従来のデータセンターと比較して海中ポッドの建設、展開、運用にかかる費用がはるかに少なくて済みます。 」
他のプレイヤーも水中データセンターに注目しています。中国のHighlander社は、急速に開発が進んでいる海南島の海で商業展開を行っています。以前は、マイクロソフトが米国とスコットランドで大規模なテストを行い、このアイデアの先駆者となっていました。
しかし、HighlanderもマイクロソフトのProject Natickも圧力容器を使用しているのに対し、Subseaの設計では圧力を均等化し、装置内をその深さの水と同じ圧力にします。そのため、重厚な圧力容器が必要なポッドよりも、シンプルで軽量なポッドを使用することができるのです。
「Highlander社も マイクロソフト社も、圧力容器を使うことを選択したのです。データセンターが海に潜れば潜るほど、より大きな圧力がかかるからです」と Reynolds氏 は言います。「その圧力に耐えるためには、データセンターの壁を厚くしなければなりません。これは、陸上での物流と海中での配備の多くの要素に影響します。」
Subsea社はテキサス州ヒューストンとワシントン州ポートアンゼルス沖に施設を持ち、プロトタイプの圧力テストを行っていますが、まだ完全に動作する展開の報告には至っていません。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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