Thales Alenia Space社、「Ascend」宇宙データセンターに関するEUの実現可能性調査を獲得
軌道上のデータセンターでコンピューティングと排出量を軽減
欧州委員会(EC)は、軌道上のデータセンターに関する「ASCEND(Advanced Space Cloud for European Net zero emission and Data sovereignty)」フィージビリティスタディ(実現可能性調査)のリード役として、Thales Alenia Space社(タレス・アレーニア・スペース)との契約を締結しました。
「ASCEND」は、EUの研究プログラム「Horizon Europe」の一環で、宇宙空間のデータセンターが、地球上のデータセンターよりも少ない排出量につながるかどうかの調査を目的としたものです。
データセンターは、数百メガワットを生成するソーラー発電設備に依存しており、これも宇宙空間に設置される予定です。
そして、高スループットの光通信を介して地球との通信を行います。
この軍事関連企業は、気候関連企業(Carbone 4、VITO)、クラウドコンピューティングおよびIT関連企業(Orange、CloudFerro、Hewlett Packard Enterprise Belgium)、ロケット開発企業(ArianeGroup)、軌道システムメーカー(ドイツの航空宇宙センターDLR、Airbus Defence and Space、そしてThales Alenia Space)などとチームを組んでこの研究に取り組みます。
研究の第一段階では、宇宙データセンターの製造と打ち上げによって発生する排出量が、地上のデータセンターよりも少ないかどうかという重要な疑問に対する答えを求めていきます。
次に、必要な打ち上げソリューションの開発と、ロボット支援技術を用いた宇宙データセンターの配備およびその運用性の確保が可能であるかどうかを検討します。特に、EROSS IODデモンストレーター(同じくThales Alenia Space社製)など、欧州で開発された技術に重点を置く予定です。
Thales Alenia Space社は、このプロジェクトが成功すれば、より気候に優しい再利用可能な大型ロケットの開発が正当化されるとしています。
Thales社(67%)とLeonardo社(33%)の共同出資会社である同社は、昨年NASAから月面のデータセンターに関する研究を受託したばかりです。
わたしたちが2021年にここで紹介したその施設は、地上の人間が利用するのではなく、宇宙飛行士やマシンの遅延を軽減し、月面での活動向けに建設されることになります。
この他にも、NTTとスカパーJSATが、光通信を介して単一のデータセンターを形成する、コンピュータとストレージに特化した多数の衛星の構築を計画しています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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