
モジュール型データセンターをガスパイプラインに併設へ 余剰圧力を電力と冷却に活用
最初の施設は今年後半にも稼働開始予定
電力技術企業のSapphire TechnologiesとAnax Powerは、ガスパイプラインの余剰圧力をデータセンター向けの電力と冷却に変換するシステムの導入に向けて協業しています。
契約に基づき、カリフォルニア州の企業であるSapphireは、パイプラインにおける減圧プロセスで発生する廃熱を回収する装置、FreeSpin In-line Turboexpanderを提供します。Anaxは、これをガスパイプラインに併設されたデータセンター施設に組み込み、余剰圧力を排出ガスの無い電力および冷却能力へと変換する仕組みを構築します。
Anaxはこれまでデータセンター建設の実績はありませんが、施設の建設および運用を担当する予定で、稼働開始は今年後半が見込まれています。発表時点では、データセンター用地をすでに確保しているかどうかは明らかにされていませんが、施設はビットコインのマイニング企業であるMagellen Scientificが利用するとしています。
ニュージャージー州に拠点を置くAnaxは、ガスパイプライン沿いにモジュール型データセンターを設置する計画で、これによって「電力冗長性に関する複数の選択肢が開かれる」と述べています。
同社は、次のように説明しています。「本来であれば無駄になっていた圧力エネルギーを回収することで、燃焼や排出物を伴わずに発電します。同時に大容量の冷却能力も生み出され、サーバーの発熱負荷を効率的に管理するために利用されます。」
データセンターは、米国内に数千か所存在する天然ガスの輸送ネットワークにおける圧力調整ステーションに隣接して設置される予定です。両社によると、それぞれ数か月以内に稼働可能で、SapphireのFreeSpinシステムは、エッジAI推論、モジュール型HPC構成、分散型クラウド基盤、に対応できる十分な電力および冷却能力を提供できるとしています。そして暗号資産マイニングにも対応するようです。
Sapphire TechnologiesのCEOであるFreddie Sarhanは、次のように述べています。「データセンターは、電力確保と熱管理の面で継続的な課題に直面しています。本プロジェクトは、圧力エネルギー回収が単一システムで電力と冷却の両方を提供できることを示すもので、よりスマートなインフラ設計を通じてデータセンターの成長を支えます。ターボエキスパンダーは、分散型データセンターに最適なエネルギー構成要素であり、Anaxはそれを大規模に展開可能な再現性のあるテンプレートを提供します。」
両社によると、標準的な導入構成では、最大3MWの発電能力と、最大3,500万BTUの冷却能力を提供できるとのことです。
Anax PowerのCEOであるMichael Longoは、次のように述べています。「圧力エネルギーは、排出ガスゼロの電力源として最も見過ごされている存在の一つです。Sapphireとのパートナーシップは、ターボエキスパンダーによる発電とデータセンターインフラを統合する、前例のない取り組みです。無排出の電力と冷却を組み合わせることで、当社は業界トップクラスのPUE性能を備えたモジュール型分散データセンター群を迅速に構築できる立場にあります。また、パイプライン事業者に対して、資金調達から建設、運営までを担うリスクのない開発モデルを提供し、高付加価値のデジタルインフラサービスを通じてエネルギーの収益化を実現します。」
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
















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