2023年第4四半期のテープ容量出荷が152.9EB、新記録を樹立

AIベースのストレージ需要が成長を牽引

2023年第4四半期に出荷された総圧縮テープ容量は、過去最高の152.9エクサバイトとなり、2022年比で3.14%増加しました。

この数字は、HPE、IBM、Quantumで構成されるLTO Program Technology Provider Companies (TPCs)が発表したものです。LTOはLinear Tape-Open Ultriumフォーマットの略で、3社が1990年代に開発したオープン・テープ・フォーマットです。

報告書では、この技術の低TCOと持続可能性に加え、急速なAIの発展に伴うデータ生成や、ストレージ要件の増加が成長の要因だとされています。

LTO-8と比較して50%、LTO-5と比較して1,400%の容量アップを実現しました。また、Generation 9は、最大400MBps(ネイティブ)、1,000MBps(圧縮)の転送速度に加え、完全な後方読み書きの互換性、ハードウェアベースの暗号化、Write-Once、Read-Many機能、Linear Tape File Systemによる高速データアクセスを備えています。

同報告書では、より大容量のストレージへの需要が高まっていることから、TPCはLTOテープ技術のさらなる進化と改善に取り組む必要があるとしており、同グループの拡張LTOプログラムロードマップでは、LTO第14世代までに1カートリッジあたり1.4PBの圧縮容量を実現することを目標としています。

HPE Storageの、OEM&パートナー対応製品担当VPであるG. Kyle Fitzeは、次のように述べました。「LTOテープ技術は、年々進歩を続けています。LTOテープの利用率は、より大容量のストレージを必要とするお客様のニーズが高まり、そのメリットが認識されるにつれて、さらに拡大する見込みです。我々は、現在、そして将来にわたって、急速に進化する組織のニーズに対応するため、LTOテープ技術の改良と革新に引き続き取り組んでいきます。」

今月初め、 Huaweiのデータ・ストレージ製品ライン担当責任者であるPeter Zhouは、同社がテープ・ベースのストレージから移行できる可能性のあるストレージ・ソリューションを開発していることに言及しました。

Zhou 氏は、ベルリンで開催されたHuaweiの年次フォーラム「Innovative Data Infrastructure」で講演し、テープストレージは非効率的で、温度と湿度が管理されたスペースに保管する必要があるため、多くの課題をもたらす「ひどい技術」だと述べました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Caféが日本向けに抄訳したものです。

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