QuEraが日本に量子コンピュータを導入、IQMがポーランドでシステムを開始

量子コンピュータが、日本とポーランドのスーパーコンピューティングセンターに納入されています。

QuEra、日本と英国に量子システムを納入

QuEraは今週、自社の研究所以外では初となる量子コンピュータを、つくば市にある日本の産業技術総合研究所(AIST)に正式に設置したと発表しました。

Nvidiaを搭載したABCI-Qスーパーコンピューターと並んで設置されたゲートベースの中性原子コンピューターは、新しいG-QuAT量子・AI研究センターの立ち上げをサポートします。

QuEraの北川拓也社長は、次のように述べています。「日本のエキサイティングな量子アジェンダに貢献できることを光栄に思います。これは、世界初のオンプレミス展開であるだけでなく、政府、学界、産業界の協力エネルギーの象徴でもあります。ハイブリッド量子コンピューティングを通じて、インパクトのある科学的ブレークスルーを実現するための基礎固めを共に行っていきます。」

G-QuATは今月初め、新研究棟の開所式を行いました。AISTは今月、IonQ、IQM、Orca、Intel(インテル)、希釈冷蔵庫メーカーのBluefors、Universal Quantumと覚書(MoU)を締結しました。IonQとの契約は、テクノロジーセンターがクラウドを通じて、量子コンピューターにアクセスできるようにすることを目的としています。

LinkedInでは今週、QuEraがオックスフォードシャーのHarwell Science and Innovation Campusにある国立量子コンピューティングセンター(NQCC)に、量子システムを出荷したことも発表しました。このシステムは、Tech Foundry 2 R&D施設に設置されます。

昨年オープンした4,000平方メートル(43,056平方フィート)のNQCC施設は、英国の量子能力を高めることを目的に、最終的には12種類の量子コンピューターが設置される予定です。Orca、SEEQC、Infleqtion、Rigetti、Oxford Ionics、Quantum Motion、QuEraなどがNQCCに量子システムを納入しています。

IQMシステムがポーランドで稼動

量子コンピュータ企業IQMが、ポーランドで量子コンピュータを発表しました。

同社は今週LinkedInで「IQMとポーランドにとって誇らしい瞬間です!ポーランド初の量子コンピューター、IQM Sparkが『Odra 5』という名前で稼動しています」と発表しました。

このシステムは、ヴロツワフ科学技術大学のヴロツワフネットワーキングおよびスーパーコンピューティングセンターに設置されました。このシステムは、科学者、博士課程の学生、主にコンピューターサイエンスの分野で研究を行う学生が利用できます。

ヴロツワフ科学技術大学のArkadiusz Wójs学長は、式典の中で次のように述べました。「私たちはポーランドだけでなく、ヨーロッパのこの地域でも最初の量子コンピュータを手に入れました。何年か後に、これが量子計算の新しい時代の始まりであることが判明することを期待しましょう。」

フィンランドの量子コンピューティング企業IQMは先月、5量子ビットのIQM Sparkシステムの導入計画を発表したばかりです。IQMのSpark量子マシンは、大学や研究室向けに特別に調整されており、高い1量子ビットと2量子ビットのゲート忠実度を提供し、信頼性が高く正確な量子アプリケーションを可能にすると述べています。

ヴロツワフのスーパーコンピューティングセンターには、インテルベースのスーパーコンピューター「Lem」もあります。2023年に稼働を開始し、20.37ペタロプスのピーク性能を提供します。

パナマが小型量子システムを入手

パナマでは、ソフトウェアコンサルタントのTR Consultoresが、中国のSpinQからデスクトップ量子システムを買収しました。

2量子ビットのGemini Mini Proは、核磁気共鳴(NMR)に基づいており、室温で動作し、量子アルゴリズムをテストするための研究用ツールとして設計されています。

SpinQは今年、コロンビアのアンデス大学にも小型システムを導入しました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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