富士通、31PFLOPSのスパコンを気象庁に提供

富士通は、気象庁に31.1PFLOPSの性能を持つ新しいスーパーコンピュータを提供しました。

2023年3月の運用開始を目指し、洪水や土砂災害の原因となる線状降水帯の発生を予測するために利用される。線状降水帯とは、積乱雲が数時間にわたって同じ場所にとどまり、しばしば大雨をもたらす気象現象です。

富士通のスーパーコンピュータ「PrimeHPC FX1000」をベースに、現在Top500で2位となっている「 富岳 」と同じA64FXのCPUを搭載する予定です。

このシステムは、富士通のデータセンターに設置される予定です。具体的な場所は明らかにされていませんが、気象庁に最も近いのは横浜にある富士通のデータセンターです。富士通によると、このデータセンターは、地震や洪水を含む様々な災害に対する安全対策が施されているとのこと。

新スパコンは24ラック(メイン・サブ各12ラック)で構成され、総容量42.3ペタバイトの高速ストレージを搭載しています。

気象庁はもともと「 富岳 」を使ってリニア・レインバンド技術の開発を進めており、まずは2022年6月に開始しました。その成果が新システムに生かされることになる。富士通によると、気象庁の活動に対して、気象データ自動取得システム(アメダス)の開発支援など、継続的な支援を行う予定だといいます。

富士通は、コンピューティング、ネットワークAI、データ、セキュリティなど、日本に拠点を置くITサービスプロバイダーです。同社は今年初めにも、台湾の中央気象局に10 PFLOPS の性能を持つスパコンを提供しています。このシステムは、気象庁に提供されているものと同じハードウェアをベースにしています。

また、1月にはスペインのガラシアン・スーパーコンピューティング・センター(CESGA)に1500万ドル規模の量子コンピュータを提供することを発表しています。



この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。



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