シンガポールの投資会社MITが米バージニア州のデータセンターを取得
シンガポールの投資会社Mapletree Industrial Trust Management(以下MIT)は、来年年初に米国バージニア州のデータセンターの取得を完了します。
データセンターの売り手は不明ですが、新しい施設は MIT子会社のMapletree Redwood Data Center Trust(以下MRDCT)に統合される予定です。
バージニア州のデータセンターは、非公開の多国籍企業にトリプルネット・リース(※ネットリースの一種で、純粋な賃料に加えて、税金・修繕費用・保険料の3種類の費用を全て賃借人が負担する賃貸借のこと)されている完全専用施設です。尚、買収に関連する詳細は、売却が完了した時点で発表するとMITは述べています。
MITは、取得費用をおよそ2億ドルから2億6千万ドルとしていますが、これは変更される可能性があります。8月31日に Mapletreeは不動産鑑定会社のCushman&Wakefieldに物件の査定を委託し、2億500万ドルから2億6,600万ドルの間の評価額を受けていました。
足場を統合
2020年9月1日に、MITはMapletree Investments Pte Ltd(以下MIPL)から MRDCTを買収しました。2020年6月にMITはMIPLの60%の株式を約2億1500万ドルで取得しています。この(MITとMIPLの)合弁会社は、2017年当時、Carter Validus Mission Critical REIT から7億5,000万ドルで取得したこれら14ヵ所のデータセンターを運営していました。
当時、CEOのTham Kuo Wei氏は、次のように述べていました。「この買収によりレジリエンスデータセンターセグメントへの注目度が増し、我々の米国での存在感を高めるだろう。米国は、世界最大級かつ最も確立されているデータセンター市場であり、魅力的な市場成長見通しや好ましい需給ダイナミクスがある。今回の買収で所有地の増加と共に、長期リースによる年間賃貸料が増大し、MITの安定的収入は改善する見込みだ」
アジアの不動産情報誌Mingtiandiによりますと、これら14ヵ所(カリフォルニア州、ジョージア州、ミシガン州、ニュージャージー州、ノースカロライナ州、ペンシルベニア州、テネシー州、テキサス州、およびウィスコンシン州に拠点を置いている)のデーターセンターの面積は延べ213,677平方メートル(約2,300,000平方フィート)にのぼると言います。また、施設の 97.4パーセントは既に埋まっており、平均リース期間は6.7年のようです。
2019年9月に、MITはMIPLと共に、Digital Realtyから10ヵ所のデータセンターを取得し、また、その他3ヵ所のデーターセンターについては、Digital Realty との合弁契約を締結しました。当時の契約は、約14億ドルであったと考えられています。これら施設の詳細はわずかですが、データーセンター合計13ヵ所で延べ2,100,000 平方フィート(195,000平方メートル)、そしてそのうち6か所は世界最大のデータセンター集積地であるバージニア州北部に存在しています。
2020年1月に、Digital Realtyは総額5億5,700万ドルでデータセンター10ヵ所を売却したことを明らかにしました。その際Digital Realtyは、データーセンター10ヵ所はフルリースの状態で売却され、3700万ドルの収入を見込んでいると述べていました。また、Digital Realty は2021年1月までの施設の一時的な資産管理サービスを提供することについても明らかにしていました。
MRDCTの買収に伴い、MITは146,414,000株を一株2.05ドルで売却し、3億ドルを調達します。MITはその資金を、合弁会社の買収費用の支払いや債務の削減、そして運転資金に充てると述べています。
Data Center Dynamics
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