SwitchがREITに移行

Switch Inc.が、REIT(Real Estate Investment Trust:不動産投資信託)に転換すると発表しました。

「Switchの取締役会は先日、REITへの転換を全会一致で決議し、2023年1月1日までに転換の完了を目指すことを決定した。株主価値を高めるためのこの戦略的な取り組みについて、さらなる詳細をお伝えできることを楽しみにしている」Switchのトーマス・モートン社長は、2021年第3四半期決算発表の中でこのようにコメントしました。

データセンターREITとは?

REITへ転換すると、株主にとっては有益な税務上のステータスや定期的な配当が得られますが、不動産からの収益が大半を占めることが求められます。REITに分類されるためには、会社の所有方法や資金の使い方に関する一定の要件を満たす必要があります。

Switchは、2023年1月までにREITへの移行完了を目標としていますが、将来見通しに関する記述の中で、「Switchがこのような移行を完了するまでに対処すべき、導入および運用面での複雑さに関する数多くの問題がある」と述べています。

現在米国では200以上の上場REITが存在しますが、データセンターを専門とするREITはほんの一握りです。データセンター市場はまだニッチであると考えられており、REITの中では、従来からの伝統的なフードグループ、オフィス、小売、工業と並び、「オルタナティブ・アセット・カテゴリー(=新しい投資対象のような意味)」と表現されています。

デジタル・リアルティは2004年に「データセンターREIT」のトレンドを先駆け、現在ではREIT全体のトップ10に君臨し、CEOのビル・スタインは業界団体NAREIT(全米不動産投資信託協会)の議長を務めています。

エクイニクスがREITに転換したのは2015年、アイアンマウンテンは2014年。コアサイト、サイラスワンも米国で上場しているREITです。QTSは、今年の初めにブラックストーンに買収されるまで、上場REITでした。

また、Segro、Corporate Office Properties Trust、Mapletree Industrial Trust、Centuria、Ascendas REITなど、広範なポートフォリオの一部にデータセンターを持つ多角的なREITも多数存在します。また、Crown Castleのように、セルタワーや光ファイバーケーブルなどの通信インフラを所有・運営する通信・インフラ専門REITもあります。

8月にSwitchは、「REITへの転換を検討している」と発表し、「株主価値向上策」の一環として「REIT選択に関する評価」を行うと説明していました。

同社は今四半期決算で、売上高1億5810万ドル、純損失90万ドル、調整後EBITDAで7690万ドルを計上しました。また今四半期の中で、同社は15社20件の新規契約を締結し、その総額は400万ドル、容量は0.3MWに達しました。また、9,000万ドル相当、合計9.3MWの更新契約を締結しました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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