サンフランシスコで26MWの旧データセンターが売却へ

跡地は長い間、大学の建物として無断で使用

カリフォルニア州サンフランシスコで、ドットコム・ブーム時代の旧データセンターが売りに出されています。制約の多い市場で、26MW以上を提供できる可能性があります。

LoopNet経由でAlioto Real Estate Groupが、466 Townsend Streetを売りに出しています。

1915年頃に倉庫として建てられ、1エーカー弱の敷地に建つ3階建ての建物は、総面積113,435平方フィート(10,540平方メートル)で、 1999年に改装されました。以前は、データセンターとして使用されていたこの建物は、PG&Eから25.9MWの電力が供給されており、38.8MWまでアップグレードできる可能性があると報告されています。

敷地内には、1.25MWの発電機1基と、5,600ガロンのディーゼル・タンクが設置されています。1階には、11基のリーバート/トラン冷却システムがあり、その大きさは様々です。

過去のファイバープロバイダーは、SBC、MCI、Qwest、Sprint、Time Warner、Level 3、ICG Telecomなどです。

この敷地は以前、ドットコム・ブームの時にデータセンターとして使用され、それが「最後の合法的使用」であったと記載されていますが、約20年間、市当局の許可なく大学の建物として使用されてきました。

2005年頃、Markley San Francisco LLCから取得した営利目的の美術学校Academy of Art Universityは、データセンターの一部を映画学科のサウンドステージと、演劇スタジオに転用しました。

しかし2016年、466 Townsend Streetの建物は、アカデミーが許可された目的に反して違法に使用しているとして、サンフランシスコが告発した建物群のひとつとなっています。

1929年に設立され、サンフランシスコ最大の不動産所有者の1つである同市は、大学が所有する不動産全体で、州法と地方法に違反しているとし建物の用途、ゾーニング法、建築基準法、歴史的保存要件に関する規則を破っていると非難しました。

旧データセンターとオフィスは、同大学が不適切に使用していた、30棟以上の建物のひとつでした。

2016年に和解が成立した後、同学園は市に対して5000万ドル以上の支払いを要求され、その多くは、新たに手頃な価格の、住宅建設に充てられました。大学は、データ、通信施設から、教室、研究室、アートスタジオ、アートショップや、学生と教員のラウンジのための教育サービスへの転換を、合法化するために遡及申請しました。この建物は現在も、アカデミーのウェブサイトに掲載されています。

1940年代から1950年代にかけて、466 Townsend Streetは卸売食料品店に使用され、その後1960年代後半まで住宅設備メーカーが使用していました。1978年には、Frontier Managementが入居し、1987年には、不動産会社San Francisco Partnersが所有していました。

2000年頃この場所には、ISPのFirst World Communicationsを含む複数のテナントが入居しており、当時First Worldはグレンデール、サンディエゴ、サンタクララ、アーバイン、デンバーでデータセンターを運営していました。施設の増築が遅れた後、2001年頃にGlobal Communicationsが、466 Townsendのスペースを引き継ぎました。

今回の物件には含まれていませんが、Aliotoは、18,000平方フィート(1,670平方メートル)の隣接する工業用ビルで、同じく大学が所有する460 Townsend Streetが、買収・拡張の可能性があると指摘しています。

この2階建ての建物は1915年に建てられ、かつてはALFA照明会社が使用していました。現在は、同大学のインテリア建築・デザインスタジオが使用しています。

米国のデータセンター会社Novvaは、266 Townsendから南へ5マイル(約8.6km)の場所に、28MWのデータセンターを開発中です。CIMが所有するこの用地は、サンフランシスコで10年ぶりに新設された、専用施設であると以前、説明しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Caféが日本向けに抄訳したものです。

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