物議を醸すFoxconnウィスコンシン工場でGoogleサーバを製造へ

米ウィスコンシン州にあるFoxconn Technology Group( 鴻海科技集団 / 富士康科技集団) の製造工場が、Googleサーバ向けの主要コンポーネントの組み立てを計画しているとブルームバーグは報じています。

トランプ大統領は2018年に、この工場を「世界八番目の不思議」として賞賛していましたが、遅延が相次ぎ、また目的が変更された挙句、当初の雇用の目標達成を満たすことができませんでした。

Foxconnはまた、Wisconn Valley Science and Technology Parkにデータセンターの建設を行うと主張していますが、その詳細についてはまだ明らかにされていません。

Made in the USA

台湾の製造メーカーのFoxconnは当初、100億ドルの費用を投じて工場を建設し、そこでフラットスクリーンやその他家電製品を生産し、最終的に最大で13,000人の雇用を約束していました。

その見返りとして、当時のウィスコンシン州のスコット・ウォーカー知事は、最大48億ドルの税控除を承認しました。これは、米国がこれまで海外企業に対し与えた最大の助成金であり、これは仕事あたり約37万ドル、ウィスコンシン州の世帯あたり1,774ドルとなります。

取引の一環として、サウスカロライナ州マウントプレザント町はプロジェクトへの補助金として7億6,300万ドルを提供し、一方ラシーン郡はFoxconnの用地取得に5,000万ドルを提供しました。

トランプ大統領が主役を演じた2018年の起工式の直後に、Foxconnはその計画の変更を開始しました。当初約束していた第10.5世代の工場から、はるかに小規模の第6世代工場の建設への変更です。同社は、75インチテレビ用パネルの代わりに、主にロボットが製造する「AI 8K + 5Gのエコシステム」テクノロジーを構築すると主張していました。またある時は、魚の養殖や乳製品製造、保管スペースのレンタルに至るまで、あらゆる方向性について検討していました。

また、いくつかの「イノベーションセンター」を州全体に建設を行うとも約束していましたが、アメリカのニュースサイトThe Vergeの調査では、同社が取得した建物は1年以上の間、空き状態のままであったと報告しています。

同社はいまだ多くの雇用を実現できておらず、繰り返し目標を逃した結果、税控除契約の再交渉をめぐる州との会談を拒否したとされています。

最終的な交渉の会談も物別れに終わり、今年ウィスコンシン州は同社への租税補助金のいくつかを却下しました。

主力工場は十分に活用されていないものの、最近、初の製造契約のひとつとしてGoogleサーバに関する契約を締結したとみられています。Foxconnは、来年の第1四半期に、インテルのIce Lake CPUのリリースに合わせて、サーバの量産を開始する予定のようです。

契約規模については明らかではありませんが、時期については、関税及び中国政府に翻弄される懸念もあり、Googleが米国向けマザーボードの生産を中国から台湾へ移行を始めてから1年後になるだろうとみられています。

Data Center Dynamics

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