コロケーション事業者2022Q3決算 ~Digital Realty、Equinix、American Tower

逆風にもかかわらず、コロケーション企業は引き続き健全な業績を発表

米国のコロケーション上場企業であるエクイニクス、デジタル・リアルティ、American Towerは、第3四半期の決算を発表しました。

3社とも収益はわずかに増加しました。しかし、本来ならもっと良い業績が得られるはずのものがドル高の影響で圧縮されてしまっていると指摘しています。

デジタル・リアルティは、金融関係顧客から4つのビルド・トゥ・スーツ施設(BTS型施設)の契約を受注し、クレタ(ギリシャ)、パリ、ストックホルム、ダラスで土地を取得したことを発表しました。

一方、エクイニクスはハイパースケール xScale セグメントの新規リース契約には失敗したようですが、東京、ジャカルタ、バルセロナでの新規施設開発にゴーサインが出ました。

CoreSiteを買収したAmerican Towerは、1MWのエッジ施設を最大1000カ所開発する計画を続けています。

Iron Moutain、Cyxtera、DigitalBridgeなどは、今後数週間のうちに決算を発表する予定です。

デジタル・リアルティ ~金融顧客向けの4つのビルド・トゥ・スーツ施設

デジタル・リアルティの2022年第3四半期の収益は、前四半期および前年同期比ともに5%増の12億ドルとなりました。

純利益は2億3900万ドル、調整後EBITDAは6億2000万ドルで、前四半期比1パーセント増、前年同期比2パーセント増となりました。FFO(Funds From Operation)は4億6200万ドルでした。

「デジタル・リアルティCEOのBill Stein氏は次のように述べています。「デジタル・リアルティは、第3四半期も記録的な売上高を達成し、過去4四半期で3度目の記録となった。急速に変化する世界的環境の中で、当社は、今後待ち受ける大きな市場機会を最大化するため に、必要な調整を行っている」

第3四半期に、デジタル・リアルティは、GAAP ベースで年間 1 億 7,600 万ドルの賃貸料収入が見込まれるブッキングに調印し、103の新規顧客を追加しました。また同社は当四半期に、GAAP基準の年間賃貸料収入1億5,600万米ドルに相当する更新契約を締結しました。

110万平方フィートを超える新規リース契約は米州で締結され、1MW以上の案件で合計78.8MWとなりました。ヨーロッパは2番目に大きな市場でしたが、169,169平方フィート、19.4MWと遅れをとっています。

CFOのAndy Power氏は決算説明会で「大規模な多国籍金融サービス顧客」との4件のビルド・トゥ・スーツ・リースの契約を結んだと説明しました。

「この大規模なマルチサイト、マルチマーケットでのビルド・トゥ・スーツ取引は、北米の1MW以上のリースの上昇を促し、予想利回りを下げながら開発パイプラインを順次増加させる役割を果たした」

また同社は、フランスのパリで約 80MWの IT 負荷をサポートする 38 エーカーの土地を 1000 万ドルで、スウェーデンのストックホルムでる最大 10MWをサポートする 9 エーカーの土地にある収益性の高い複合ビルを 3900 万ドルで、ギリシャのクレタ島で最大 6.5MWをサポートする 1 エーカーの土地を 200 万ドルでそれぞれ取得しました。

当四半期、デジタル・リアルティは、主力ではないダラスの複合施設であるデータセンターを 2 億 700 万ドルで売却しました。また、同社の Digital Core REIT と共に、フランクフルトのデータセンターの 25%の権利(約 5 億 4700 万ドル相当)を売却する契約も締結しました。

さらに第 3 四半期終了後、デジタル・リアルティは、テキサス州ダラスにある同社のキャンパスに隣接し、24MWの IT 負荷をサポートする 4 エーカーの区画を 2400 万ドルで取得しました。

Power氏は、世界的な不況とコスト増に直面する中、同社は増築の野心を抑制することはできると付け加えました。

「当社は、おそらく最も優れたランドバンクと顧客向けのランウェイを持っている。しかし、投機的な開発に費やす費用をもう少し抑えられるシナリオは大いにあり得ると思う」と彼は言います。

デジタル・リアルティは、9月30日現在、約158億ドルの負債残高があります。同社は 8 月に 2025 年満期 7 億 5000 万ユーロのタームローンを完了し、9 月には 2028 年満期 5.5 億 5000 万ドルの債券の公募を完了しました。当四半期末後、デジタル・リアルティは、1 年間の延長オプション付き 2 年間の新規米ドル タームローンについて、6 億 5,000 万ドルを超えるコミットメントを得ました。

エクイニクス ~xScaleのリース契約が失速。東京、ジャカルタ、バルセロナの新施設が認可

エクイニクスの四半期収益は18億ドルで、前年同期比10%増となりました。同社はこれで79四半期連続の増収となりました。

営業利益は3億3,300万ドルで、前四半期比5%増、純利益は2億1,200万ドルで、前四半期比2%減となりました。調整後EBITDAは8億7,100万ドルで、前四半期比1%の増加となりました。

エクイニクスの社長兼CEOのCharles Meyers氏は次のように述べています。「デジタルインフラに対する世界的な需要は引き続き拡大しており、お客様の嗜好は、高度な分散、持続的なハイブリッド、より深いクラウド接続、オンデマンドの増加といったアーキテクチャへと確信を持って向かう傾向にあるため、デジタル変革における信頼できるパートナーとしての当社の立場を後押しするすべての要因として、当四半期も過去最高益を記録した。複雑で厳しいマクロ環境においても、当社の広範なグローバル展開と相互接続された堅牢なエコシステムは、企業がデジタル投資を優先し、ハイブリッドおよびマルチクラウドをサポートする接続点としてPlatform Equinixを採用する中で、幅広く、多様なお客様を魅了し続けている」

xScaleハイパースケールJVに関しては、FR9x-2とLD11x-2の開設と共に17MWを立ち上げました。また、イタリアのミラノに3MWの施設(Milan 7x-1)を計画しており、これは2023年第1四半期に稼動開始の予定となっています。Mexico City 3x-1(メキシコシティ)、 São Paulo 5x-2(サンパウロ)、 Dublin 5x-1(ダブリン)、 Madrid 3x-1(マドリッド)、そしてOsaka 2x-2(大阪)はいずれも今年第4四半期に開設予定です。しかし、この四半期に同社はxScale施設の新たなリースを確保することができなかったようです。

エクイニクスは、2023年第3四半期に稼働予定のSV11フェーズ2(シリコンバレー)で1,450ラックの拡張を、同じく2023年第3四半期にMT2フェーズ2(モントリオール)で500ラックの拡張を承認しています。TY15フェーズ1(東京)は承認され、2024年第3四半期に1,200ラックが稼動します。JK1フェーズ1(ジャカルタ)も承認され、2024年第4四半期に575ラックが追加されます。BA2フェーズ1(バルセロナ)についても承認され、2024年第1四半期に650ラックが追加されます 。

ME2フェーズ2(メルボルン)、TR2フェーズ4(トロント)、ML5フェーズ2(ミラノ)、IL2フェーズ3(イスタンブール)、MA5フェーズ1(マンチェスター)、MD2フェーズ4(マドリード)、PA10フェーズ1(パリ)はすべて稼動を開始しました。

同社は決算説明会で、エクイニクスのリセラーパートナーであるSoftcat社と英国の保険会社のロンドンキャンパスのデータセンター統合および近代化プロジェクトを獲得したことを発表しました。

また、メキシコのモンテレイに開発用地を購入したことも発表されました。

American Tower ~最初の1MWエッジ施設の着工を計画

American Towerのデータセンター事業部門の当四半期収益は1億9400万ドルでした。また営業利益は9,400万ドルでした。

会社全体での総収益は8.8%増の26億7000万ドル。純利益は12.9%増の8億2,000万ドル、調整後EBITDAは5.8%増の16億4,000万ドルとなりました

American TowerのCEOであるTom Bartlett氏は次のように述べています。「第3四半期は、顧客が次世代ネットワークの導入を積極的に進めていることから、当社の通信資産のグローバル・ポートフォリオ全体において、堅調なリース傾向が見られた。当社の事業は、景気変動に直面しても レジリエンス力 を示し続け、堅調な業績と普通株式配当の2桁成長を達成した。今後、5Gエコシステムが発展する中で、当社のタワーと土地資産の分散型ポートフォリオとデータセンター事業を活用し、将来のネットワークをサポートすることができると確信している。さらに、投資適格のバランスシート、強力な流動性、多様な資本源へのアクセスにより、当社は規律ある資本配分戦略を実行し、今後何年にもわたって持続的な成長と株主価値を推進するための好位置につけている」

同社は、最近フロリダ州マイアミで取得したデータセンターに対し3400万ドルを支払ったことを明らかにしました。同社は現在、合計で347万平方フィート、233MW容量となる28の施設を保有しています。

同社はまた、247,800平方フィート、32.3MWのデータセンターの開発を進めており、Bartlett氏は、建設中のデータセンターの20%以上が既にプレリース済みであると述べています。他にさらに135万平方フィートと154 MWが将来の開発用に確保されています。

決算説明会で、Bartlett氏は次のように述べています。「CoreSiteを所有してから3四半期以上となるが、事業全体の業績と、リース活動を推進するユースケースにこれ以上ないほど満足しており、将来にわたって成長の触媒として機能するものと期待している。重要なことは、この買収に関して、常に好意的な顧客からのフィードバックがあることに非常に勇気づけられている」

CEOはまた、1MWエッジデータセンターを配置する1,000以上のサイトを特定したとする、同社の第2四半期の発表に関する最新情報を提供しました。

「今後数カ月の間に、最初の1MWエッジ施設と自社所有のタワーサイトに着工し、市場の需要や顧客の要件に対する理解を深め、エッジエコシステムの発展に合わせて大規模に展開できる青写真を描き、American TowerとCoresiteが潜在顧客に提供できる差別化した価値提案を実証する予定である」

彼はまた、同社が米国内のデータセンターの野心に注力するつもりであることを再度表明しました。「米国外でのデータセンター買収が騒がれているが、それは私たちが見ているところではないし、私たちの注力もそこではない。データセンターの活動に関しては、米国が我々のチェス盤なのです」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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