デルタ航空が大規模障害への支援を断ったとマイクロソフトが発表

IBMとAWSのクラウド利用情報を要求

マイクロソフトは、数日間におよぶ大規模な障害発生中、同社のCEOが自らデルタ航空のCEOに連絡を取ったが、返事はなかったと主張しています。また、別の従業員は、同社に助けは必要ないと伝えたとのことです。

同社は、5億ドルの損害を出した大規模障害について、マイクロソフトとCrowdStrikeの両社に損害賠償を求めることを目的としているようです。

先月、サイバーセキュリティ企業のCrowdStrikeが行ったアップデートは、何百万ものWindowsシステムにブルースクリーンのエラー画面を表示させる事態を招きました。

デルタ航空のCEOであるEd Bastianによれば、同社は4万台のサーバーを手動でリセットしなければならなかったとのことです。このダウンタイム中、約5,000便がキャンセルされました。

他の航空会社も、鉄道、銀行、ヘルスケアプロバイダーと同様に混乱しましたが、デルタ航空の復旧は、それよりもはるかに時間がかかりました。CrowdStrikeの問題は、別の問題も引き起こし、デルタ航空のITシステムが新しいフライトの変更に対応できなくなりました。

アップデートの失敗による被害を最も受けた同社に対し、米運輸省はその原因究明の調査を開始しました。

デルタのEd Bastian CEOは従業員に対し、デルタ航空はこの障害によりマイクロソフトとCrowdStrikeの両方から「法的請求を行う予定だ」と語りました。

CNBCの報道によると、CrowdStrikeの弁護士であり、Quinn Emanuel Urquhart & Sullivanの共同マネージングパートナーであるMichael Carlinskyは、日曜日に同社に書簡を送り、「CrowdStrikeが、デルタ航空のITに関する決定と障害への対応に責任があるという誤解を助長した」と述べたようです。

さらに、Michael Carlinskyは、George Kurtz最高経営責任者(CEO)もEd Bastian CEOに連絡を取り、「現場での支援を申し出たが、返答はなかった」と主張しています。

「デルタ航空は一般市民、株主、そして最終的には陪審員に対して、CrowdStrikeが迅速に、透明性をもって、建設的に、その行動の責任を取った一方、なぜデルタ航空は責任を取らなかったのかを説明しなければならない。」

マイクロソフトの代理人であるMark Cheffoは、同社はデルタ航空に対し、「コメントは不完全であり、虚偽であり、誤解を招くものであり、マイクロソフトとその評判を傷つけるものである 」と述べました。

Cheffoによると、デルタ航空はMicrosoft AzureやWindowsのクラウドサービスを利用していないとのことです。その代わりに、同社は2021年にIBMと、2022年に Amazon Web Services(AWS)との複数年契約を発表しました。

同氏は、「デルタ航空がマイクロソフトの支援を拒否したのは、最も復旧に苦労していたITシステム(乗務員の追跡とスケジューリングシステム)が、マイクロソフトのWindowsやAzureではなく、IBMなど他のテクノロジープロバイダーのシステムで稼働していたためでしょう」と述べ、IBMとAWSをどのように使用しているかを開示するよう求めました。

「我々の予備調査では、デルタ航空は競合他社とは異なり、顧客のためにもパイロットや客室乗務員のためにも、ITインフラをモダナイズしていないようです。」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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