AIチップの新興企業CerebrasがNautilusの水上浮体式データセンターに2.5MWの導入を計画
AIチップ新興企業のCerebras Systemsは、カリフォルニア州ストックトンでNautilus Data Technologiesが保有する水上データセンターのスペースを借りています。
昨年末、NautilusはCerebras Systemsと2.5MWの契約を結び、CerebrasのAIハードウェアをこのデータセンターに導入することを発表しました。
「Cerebrasが求める1ラックあたり30kWという基準を満たすために、Nautilusはサービスを迅速(60日以内)かつ不安を与えることなく拡張しました。このことが今回の契約の締結、ならびにCerebrasがAIサービスの提供を驚くほど早く開始することを可能にしました」とNautilusは今週述べました。
また同社のCEO、Patrick Quirkは次のように述べています。「AIの急速な普及は我々のアプローチとビジネスモデルを実証しています。私たちは、EcoCoreプラットフォームの一部として、高密度のAIアプリケーション用に設計しました。最も効率的でスケーラブル、かつ持続可能な方法で将来のニーズに対応することこそが当社のストックトンデータセンターの目的であり、データセンター事業者に約束することなのです。」
Nautilusは、水上浮体式データセンターの提供でよく知られています。同社のデータセンター冷却技術は、発電所や船舶のエンジンなど他の産業で使われている水冷アプローチをデータセンターに適応させたもので、近くにある自然水を循環させてサーバールームを冷却するクローズドループシステムを採用しています。
Nautilusは、この水冷技術を使用したデータセンターの建設計画を推進しています。現時点で同社が所有する水上浮体式データセンターはストックトンのみですが、メイン州で陸上データセンターを建設予定のほか、アイルランドやヨーロッパ本土さらに米国でも建設を進めています。また、タイやフィリピンでのビジネスチャンスを探るためのMoUも結んでいます。
CerebrasのCOOであるDhiraj Mallickは、次のように述べています。「当社のCS-3 AIスーパーコンピューターを駆動する世界最速のAIチップであるCerebras WSE-3が最高のパフォーマンスを発揮するには、最先端の技術が必要です。Nautilusは、先進的なデータセンターインフラと水消費ゼロの冷却システムで、まさにそれを提供してくれます。Nautilusは、当社が持続可能性の目標に沿いながら、AIの限界を押し広げることを可能にしてくれます。」
カリフォルニアに本拠を置くCerebrasは、ウエハーサイズの半導体を開発しています。最新のWafer Scale Engine 3は、44GBのオンチップSRAMとともに、4兆個のトランジスタと90万個の「AIコア」を誇ります。
Cerebras CS-3システムと組み合わせることで、このチップはピーク時で125AIペタフロップスが可能だとのことです。さらに、CS-3を2,048個搭載することで、256エクサフロップスのAI演算が可能になるといいます。
Cerebrasの最初のスーパーコンピューターCondor Galaxy 1は、2021年にカリフォルニア州サンタクララにあるColovoreの液冷データセンターで稼働を開始しました。同社はアラブ首長国連邦を拠点とするG42と提携し、さらに8台を構築中です。
同社によると、さらに2つのシステムが2024年前半にテキサス州オースティンとノースカロライナ州アッシュビルのデータセンターで稼動し、それに加え、6つのシステムが今年後半に予定されているとのことです。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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