サムスン電子がテキサス半導体クラスターに400億ドル投資

米国CHIPS法により、64億ドルの資金提供を受ける予定

サムスン電子は、400億ドルを投じてテキサス州の複数の場所に半導体クラスターを建設することを発表しました。

同社は、米国政府が半導体産業を支援するために成立させた、Chips and Science Act (通称CHIPS法)の下、64億ドル(約1兆円)の資金援助を受け、開発に投じていくとのことです。

商務省の発表によると、 サムスンのベンチャー企業がテキサス州中部のテイラーとオースティンに設立されるようです。

テイラーには、4nmと2nmの半導体を生産する2つのファウンドリーと、HBM(High Bandwidth Memory)、研究開発施設が建設される予定です。テイラーの工場は2026年までの稼動を予定しています。

オースティンにあるサムスンの拠点は、拡張される予定です。 この拡張は、従来よりも効率的なトランジスタ制御を可能にする、完全空乏型シリコンオンインシュレータ(FD-SOI)プロセス技術の生産をサポートするために行われます。

サムスンは、「これらの施設は『最先端の持続可能性戦略』を用いてカーボンフリーの電力使用を促進し、水資源を節約します」と述べ、「両市にまたがる施設では、建設関連職1万7000人、製造関連職4500人を含め、少なくとも2万1500人の雇用創出が見込まれます」と続けました。

同社は地元教育機関と提携し、将来の半導体労働者を育成する意向を明らかにし、「商務省と協力し、手頃な価格で質の高い、利用しやすい託児所を従業員に提供します」と述べました。

サムスン電子の代表取締役社長兼デバイスソリューション部門長、Kye Hyun Kyungは以下のように述べています。「我々は単に生産施設を拡大するだけでなく、地元の半導体エコシステムを強化し、米国を世界的な半導体製造の目的地として位置づけていきます。将来の需要の急増に対応するため、自社工場は最先端のプロセス技術を兼ね備え、米国の半導体サプライチェーンの安全性の向上に貢献できるようにします。」

米国CHIPS法による資金援助が急増中

2024年2月、 GlobalFoundriesは、同法に基づき米国政府から15億ドルを獲得しました。 獲得した資金は、 同社の将来にわたる半導体生産能力を高めるため、ニューヨークとバーモントの拠点拡張計画に投じられました。

3月には、Intelも85億ドルの直接資金、110億ドルの低金利融資、そして最大1000億ドルの設備投資に対する25%の投資税額控除を受けることを発表しました。この資金は、同社が半導体製造施設を拡張しているアリゾナ、ニューメキシコ、オハイオ、オレゴンへの投資を強化するために使用されるとのことです。

最近では、TSMCがアリゾナ州フェニックスに第3の製造工場を建設するため、116億ドルを受け取ることになりました。新たに発表されたこのTSMC工場は、2nmまたは『顧客の需要に応じてより高度なプロセス技術』を生産し、10年末までに運転を開始する予定です。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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