中国工場、制裁回避のためNvidiaゲーム用チップをAIに再利用

数千のチップをAI開発用途で利用

最先端AIチップの輸出に対する米国の制裁強化を受けて、中国企業はAIハードウェアを稼働させるためにNvidiaのゲーム用チップの再利用を行っています。

米国は現在、中国との貿易戦争に突入しており、軍事力の近代化や人権侵害に利用されかねない先端技術へのアクセスを阻止するため、中国へのチップ輸出に制限を課しています。

この制裁の結果、数千もの Nvidia 製ゲーム用チップのコア・コンポーネントが新たな回路基板に取り付けられ、これにより各企業はraw computing powerを利用できるようになったと、Finantial Timesはこの事情に詳しい工場長やチップ・バイヤーの話を引用して報じています。

同報道によれば、理論的には、この技術はハイエンド・プロセッサを入手しようとする中国企業が直面する課題に対する解決策にはなるものの、ビッグデータセットでLLMをトレーニングするのに必要な高精度計算を実行することに関しては、ゲーム用チップでは力不足であるといいます。

ある工場長によると、12月には4,000基以上のNvidia製ゲーミングチップが作業員によって分解されたが、そのなかでも最も人気があったのはGeForce RTX 4090であったといいます。しかし、このチップは2023年10月に中国国内での販売が禁止されました。

最新の制裁措置に対応するため、Nvidiaは中国向けにより性能の低いバージョンのチップを開発しており、その中にはGeForce RTX 4090 Dも含まれています。このGeForce RTX 4090 Dは、中国国外で販売されているバージョンよりも5%遅く、LLMのトレーニングにはさらに適さないと思われます。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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