UMC、世界的な半導体供給不足の中、28nmチップを増産へ

台湾のUnited Microelectronics Corporation(UMC:聯華電子)は、供給が逼迫している半導体の需要増に対応するため、28nmの大型チップの生産を強化します。

同社は、台南にある既存の製造工場で、28nmウェハーを月に2万枚増産する能力を追加すると発表しました。

チップ不足の中、猫も杓子も半導体生産を拡大中

今回の発表により、同社は23億ドルのコストを負担することになりますが、UMCの最大顧客数社が保証金を前払いし、固定価格で一定の注文の保証を約束する契約に基づいて行われます。

UMCは、この契約は「革新的でWin-Win」な取り決めであると述べています。UMCのJason Wang社長は、「これにより、市場機会を捉えるための財務基盤が強化される」と述べています。

また、UMCのCFOであるLiu Chi-tung氏は、次のように補足しています。「(28nmなどの)成熟ノードでは需給のバランスが崩れている。(半導体)企業らは(7nmなどの)先端ノードで多くの容量拡張を行っているが、成熟ノードへの対応は行っていない。しかしこれらのノードには多くの重要なコンポーネントがある」

UMCは、直近の四半期決算において、前四半期比4%増の471億台湾ドル(16億8,000万米ドル)の売上高を発表しました。

一方、AMD、SKハイニックス、テキサス・インスツルメンツの3社は、需要が高騰する中、今月、好調な四半期決算を発表しました。また競合のTSMCは、供給が限られている中、チップ需要の増加に対応するため、「成熟技術」の生産能力増強に28億9,000万ドルを投じるなど、複数の拡張プロジェクトを発表しています。

サムスンは今週、米テキサス州で発生した大寒波「Uri」の影響で、オースティンにあるS2ファウンドリーの操業停止を余儀なくされ、3~4千億ウォン(2億7,000万~3億6,000万ドル)の損失を出したと発表しました。また大寒波は、NXPとInfineonのファウンドリにも影響を与え、更に日本のルネサスの工場で発生した火災事故も生産に影響を及ぼしました。これら一連の事故が、深刻な半導体供給不足に拍車をかけ、世界的な半導体不足は何年も続くと予測されています。

Data Center Dynamics

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