100パーセントでは足りない場合【特集】

再生可能エネルギーに関して、データセンター事業者はGoogleから何を学ぶことができるか?

データセンターの分野における 再生可能エネルギー のマーケットリーダーは紛れもなくハイパースケールの巨人、特にGoogleとMicrosoftです。Googleは世界最大の再生可能エネルギー購入企業であり、一方Microsoftは、現在市場で最も積極的にカーボンネガティブプランを推し進めている企業です。

もちろん、GoogleやMicrosoftと同じことをコロケーション事業者に期待するのは不公平です。Googleは銀行に約1,170億ドルを保有し、Microsoftも470億ドルの現金を抱え、またどちらも1兆ドル前後の評価額を記録している企業です。

コロケーション事業者が顧客の機器で実行できることにも制限があります。Googleは年初に、緊急ではないワークロードを再生可能エネルギーが豊富な時間帯にシフトする試験を行っていた、と述べていました。これは、アプリケーションを完全に制御できるモノリシック企業にとっては問題ありません。ただし、施設内のワークロードをほぼ制御できないコロケーション事業者にとって、これはそれほど簡単な事ではありません。

其れでも、ハイパースケーラーから学ぶことは依然多く、これらのプロジェクトのいくつかは、今後数年間でより広い市場に染み透っていく可能性があります。Googleのグローバルエネルギー部門ディレクターのRaiford Smith氏は、4月に開催されたDCD Energy Smartバーチャルイベントで、参加者に対し、次のように語っていました。「我々は、我々のグローバルデータセンター群の24×7のカーボンフリーエネルギー化に向けて新たな旅に乗り出し始めている」今年の9月に、同社は「2030年までに24×7(※24時間365日=常時)のカーボンフリー目標を達成する」と宣言しました。

「Googleのエネルギー戦略の重要性は非常に高い」とSmith氏は続けます。「我々はインターネット経済で最もエネルギーを利用する企業の一社です。例えば、2018年には、人口60万人のルクセンブルクの国家全体の1.5倍を超える電力を使用しました」

大きく考える

増えつつあるデータセンター系企業と同様に、Googleはそのエネルギー利用を再生可能エネルギーの電力購入契約( PPA )により相殺し、再エネ施設からギガワット単位のエネルギーを購入しています。過去数年間、同社は風力発電所や太陽光発電所への新規投資を必要とするPPAの契約を優先するようシフトし、世界全体で70億ドル近くを投資し、グリッド(電力系統)に新たに5ギガワット以上の再生可能エネルギーを追加した、とDCDに話しています。

これは非常にコストのかかる取り組みですが、2019年に同社はコストを削減し、調達を大幅に迅速化する新たなアプローチとして、リバースオークション方式を試みました。

例えば、太陽光発電の購入契約のリバースオークションでは、資格を持つソーラーデベロッパーがGoogleとの契約を競います。このアプローチは一般的な勧誘プロセスと似ていますが、最終的には異なります。何ヶ月にもわたる審議の代わりに、入札者は45〜60分間の中で、最低入札額の提示で競い合います。この迅速なプロセスで、既に驚くべき結果が得られています。2件のリバースオークションでは、落札価格は最初の最低入札価格を23%と17%下回りました。

「これにより、従来のRFP(提案依頼書)方式よりも大幅に低いコストで再生可能エネルギーの調達目標を達成することができた」とSmith氏は述べています。

「我々のリバースオークションでは、オークションプロセス全体を通じて、他の入札者が全く同じ製品に対して匿名で提示している内容を確認でき、価格発見や透明性に関して、入札参加者に対してもメリットをもたらした」

これらすべてはお金と時間を節約しますが、Googleの究極の目標である「再生可能エネルギー源と負荷の時間マッチング」にはまだ遠いです。ご認識のとおり、80MWのソーラーファームPPAは80MWのデータセンターをカバーするかもしれませんが、実際には、データセンターが電力を消費している間、ソーラーファームが電力を生成していない時間帯(たとえば夜間)は、残念ながら汚れたグリッド(=化石燃料による電力系統)から電力を引くことになります。

「これは、風力や太陽光などの既存の可変再生可能エネルギー資源と、現代のデジタル経済の24×7(=24時間365日:常時)の需要との間のギャップを埋める方法を見つける必要があることを意味する」とSmith氏は述べています。

Googleはまだそれをやってのける方法の最終詳細を解明しようとしていますが、既にチリのデータセンターである程度の進捗を得ています。「この施設は、太陽光の変動による数時間のカーボンフリーエネルギー不足を経験した」とSmith氏は述べています。

「日中の過剰な太陽光発電は、1日のトータルなカーボンベースエネルギーを相殺する以上のものだったが、実際にデータセンターは、我々が望む24時間100%のカーボンフリーマッチングを達成できなかった」

そこでGoogleは、複数の再生可能エネルギープロジェクトを積み重ねることに目を向けました。「2015年に80MWの太陽光PPAを割り当てることで、時間単位でデータセンターの電力消費量の75%をカーボンフリーエネルギー源と一致させることができた」とSmith氏は述べています。「最近、我々は別の35MWソーラーPPAの署名を行い、チリにおける弊社のエネルギープロファイルと地域の再生可能エネルギー資源との一致を更に改善した」

「最後に、最近、我々は90MWの風力PPAの契約を発表した。これは、異なる時間に風が吹き、太陽が輝くためです。風力と太陽光を組み合わせることで、ギャップを埋め、我々のデータセンターのエネルギープロファイルを変換できるようになると考える」

Googleは、すべての再生可能エネルギーサイトがオンラインになると、データセンターの電力消費量は、時間単位で97%近くのカーボンフリーエネルギーと一致するだろうと予測しています。

「しかし、 これは24×7(=24時間365日:常時)のカーボンフリーエネルギー化に向けたスタート地点に過ぎない」とSmith氏は述べています。「長期的には、さまざまな種類のテクノロジーを組み合わせることができるポートフォリオを想定している。既存の原子力、地熱、水力発電技術は我々の目標達成に本当に役立つかのも知れない。我々は技術の進化に伴い、評価を行っていく。また、同業他社と協力しあい、送電網の脱炭素化を遅らせている政策や市場の障壁を打ち破っていく」

彼は付け加えます。「そして、これは本当に電力網の変革と、我々が顧客にサービスを提供していく方法についての話です」

Data Center Dynamics

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