エッジが道路にぶつかる【特集】

Alphabetは、文明と自動運転システムがどのように相互作用するかを再考し、エッジ市場を切り開こうとしている

ミシガンでは奇妙なことが起こっています。

Googleは過去10年以上にわたり、都市内で独立して動作する完全自律システムの展開を目指して自動運転車を開発してきました。しかし、新たな開発は、「自動運転レベル5」をすぐに達成することへの自信が薄れてきていることを示唆しており、これはエッジにとっての大きなニュースになるかもしれません。

エッジ企業は、レイテンシ・センシティブ(遅延に敏感)なコンピューティングリソースを大規模展開する需要として、自動運転車を魅力的なユースケースとして長い間宣伝してきました。しかし、彼らの発言は、「エッジコンピューティングは車自体のみに必要であり、街灯のコンピューティング化は必要ない」と主張してきたGoogleのような自動運転ビジョン(autonomous vision)を持つ会社とは決して一致することはありませんでした。

今、未来はそれほど明確ではありません。

はっきりしないメッセージ

今年の8月、Googleの親会社であるAlphabetは、子会社のSidewalk Infrastructure PartnersがCavnueという新たな子会社を設立したと発表しました。そしてCavnueは、40マイル(約64 km)の自動運転車専用道路を建設するという発表会を開催しました。

この話はそれほど大きな話ではない、またここで強調するほど奇妙なプロジェクトではないかもしれません、しかしこれは一般道路ではありません。古く、錆びついた自動車の街であるデトロイトと、活気に満ちた自動運転の研究拠点であるアナーバーを結ぶという、これは単なる暗喩以上のものがあります。

これは失敗したことの自認です。道路はコネクテッド自動運転車専用として設計されることになっていますが、Alphabetは、自動運転車が既存の都市構造に対応する準備が整っていない現実に直面しています。「基本的なコンセンサスは、我々が思っていた以上に難しい」と、Cavnueの共同創設者であるJonathan Winer氏はフォーチュン誌に対し語っています。

このプロジェクトには、フォード、GM、Argo AI、Arrival、BMW、ホンダ、トヨタ、TuSimple、及びAlphabetのWaymoなどの自動車および自動運転車開発企業の諮問委員会が参加しています。Fordとミシガン大学はプロジェクトパートナーとしての活動も行っています。

アイデアは、自動運転車の安全を確保するために、自動運転車以外に必要なインフラストラクチャとソフトウェアが何かを学習することです。

まだ初期段階ですが、そこは24か月のコンサルティングプランがあります。親会社のSidewalk Infrastructure Partners(AlphabetとOntario Teachers’ Pension Planが所有)は、トロントでのミニスマートシティ計画が地元住民、プライバシー活動家、そしてブラックベリーの億万長者(RIMの元共同CEOのJim Balsillie氏)らの反対により中止に追い込まれたSidewalk Labs社(100%Alphabet子会社)同様の運命を回避したいと切望しています。

既にこの新プロジェクトは政治的支​​援を受けています。デトロイト市長やミシガン州知事らは力を入れていますが、不安定な経済状況を考えると驚くことではありません。

しかし、キャンセルされる恐れが促したのか、Cavnueはよりオープンに、プロジェクトの詳細をWebサイト上に公開しています。DCDはその内容を確認し、多くのエッジコンピューティングを要求するビジョンがあることを確認しました。

「自動運転車(AV)ソリューションに800億ドルが投資されたにもかかわらず、完全な自律性は数十年先ではないにせよ、数年先になるだろう」と文書では認めています。「しかし、この投資は、コネクテッド自動運転車(CAV:Connected&Automated Vehicles)の採用を加速し、まとまりのない自動運転車より優れた運用を実現するインフラ投資全体への支出を小さくする。 Cavnueはこのギャップを埋めるために設立された」

カメラやLiDAR(※Light Detection and Ranging:光を用いたリモートセンシング技術の一つ)などのオンボードセンサーは、標識や信号機の検出に使用されますが、「この情報を道路インフラからデジタル送信することで強化できる」と、この文書では説明しています。

文書は更に次のように追記しています。「多くの自動運転車開発企業は、インフラは進化しないと考え、それ故インフラや他の車両との通信をさせる計画や投資については考えていない」

「CAVインフラのメリット、そしてこの分野への投資不足のギャップを考えると、今後数年間で先見の明のある管轄区域がそのようなインフラを優先するという切実なニーズや機会はある」

40マイルの道路は、「①物理的な道路補強」、「②センサーや接続を含むデジタルシステムのインストールと統合」、「③環境をリアルタイムに表現し、CAVの運転を調整する「 デジタルツイン 」システム」、「④共有モビリティシステムなどの運用インフラ」の 4レイヤで構成されます。

これら全ては、道路に沿って点在する相当量のセンサーが必要であり、それら全てを動作させるために計算で一致させ、そして、迅速に(低遅延で)動作させる必要があります。このプロジェクトでは、Cavnueは「CAVコリドープロジェクトを促進するために必要なクラス最高のハードウェア、ソフトウェア、および運用コンポーネントを組み合わせるシステムインテグレーター」として機能しますが、より広く受け入れられるためには、これをベンダーニュートラルなシステムにする必要があると同社は理解しています。

ここには、他のエッジ企業が成功を収める可能性があります。米国だけでも418万マイルの道路が存在し、競争の余地は数多くあります。

Data Center Dynamics

原文はこちら