AirTrunk、15億4500万ドルの資金調達をサステナビリティ・リンク・ローンに転換
AirTrunk社は、融資の返済を持続可能性目標とリンクさせる最新のデータセンター企業となりました。
オーストラリアに本社を置く同社は、21億豪ドル(15億4,500万米ドル)を超える既存の法人向け融資制度を、サステナビリティ・リンク・ローン(SLL)に変更しました。これにより、同社が特定のESG目標を達成した場合には債務の支払利息が軽減されます。
AirTrunk最高財務責任者CFOプラシャント・マーシーは、「今回の発表はアジア太平洋地域のデジタルインフラを持続可能な方法で設計、構築、運用し、現在は資金調達を行っている当社のリーダーシップを示すものです」と述べています。
AirTrunk社の融資KPIは「多様性と一体性」「カーボンニュートラル」「PUE目標を通じたエネルギー効率」の3つの主要分野にわたっています。透明性とガバナンスを確保するために、KPIは独立して保証されます。融資は2025年に満期を迎えます。
AirTrunk創業者兼CEOロビン・クーダは、「当社は、設立当初から持続可能性を事業目的の中核に据えており、業界をリードする規模とエネルギー効率を備えた大規模データセンターをこの地域に設立しました。今回、運用PUEを含む3つのKPIを設定したSLLに移行することで、持続可能性の目標を達成するための責任を果たすことになります」と述べています。
Australian Finance Review誌によると、この転換社債は Macquarie Infrastructure and Real Assets が昨年AirTrunk社を買収した際に設定されたもので、AirTrunk社の中核となる企業債であり、超大規模データセンターの拡張に使用されます。
クレディ・アグリコル・CIBとドイツ銀行は、AirTrunkのSLLのサステナビリティ・ストラクチャリング・アドバイザーを共同で務めました。また、Norton Rose FulbrightとGilbert + Tobinが、それぞれ借り手側と貸し手側の法律顧問を務めました。
AirTrunkは5月にシドニーに2つ目のデータセンターを開設しました。この110MWのデータセンターは、既存の130MWの西シドニーと130MWのメルボルンの施設に次ぐもので、オーストラリアにおける同社の総容量は370MWを超えました。同社は、2020年12月に香港とシンガポールに立ち上げたセンターを開設し、合計5つのデータセンターを保有しています。また、東京の大型施設も開発中です。
昨年テキサス州のホールセール企業Aligned社は、データセンター企業としては初めてSLLを受け、サステナビリティへの取り組みと事業拡大のために10億ドルを調達し、持続可能性目標に応じた金利を設定しました。同社は7月に目標額を達成した後、さらに2億5,000万ドルを追加し、8月には3億7,500万ドルを追加しました。
オランダの通信事業者KPNやラテンアメリカのデータセンター企業Nabiaxも、ここ数カ月の間にESG目標と連動した資金調達を行っています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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