データセンターや電気自動車がバージニア州の再生可能エネルギーを使い果たすと警告

バージニア大学、2050年に電力需要の78%増を予測

米国バージニア州では、 データセンター の建設が進み、また電気自動車が従来の自動車に取って代わることで、今後数年間で電力需要が急増するだろうとの予測が発表されました。

バージニア大学のエネルギートランジション・イニシアチブが発表したレポートによると、2035年には電力需要が30〜38%、2050年には78%増加するため、州内の 再生可能エネルギー は需要に追いつくのに苦労することになるだろうと述べています。レポートでは、その多くがデータセンターと電気自動車によるものであるとしています。

電力需要の増加

「バージニア州のほとんどの電力使用セクターは成長していない」と、イニシアチブのディレクターを務めるウィリアム・ショーブ氏は述べています。「バージニア州の商用および工業用の電力需要は、いずれも数年前から減少しており、しばらくはこの状態が続くと予想される。住宅用は、人口増加の鈍化とエネルギー効率の向上により、非常に緩やかな成長となっている。バージニア州の電力需要で伸びているのは、データセンター向け販売である。データセンター利用は全国的に増加しており、そしてバージニア州はデータセンターサービスにとって特に魅力的な場所とされている。そのため、データセンターの電力使用量は他の州よりも急速に増加している」

現在のデータセンター需要の急増がいつ収束するかを予測するのは難しいが、ショーブ氏のレポートでは2050年までに71%、56%、22%の成長が見込まれており、そのほとんどがデータセンターによるものだといいます。

「バージニア州の政策立案者は、電力供給をより環境に優しいものにすると決定した。そのためには、今後数年間で相当量のエネルギー源を建設しなければならない。そのためには、準備を整え、費用対効果の高い方法でそれを実現できるように、あらゆる情報を集めなければならない」ショーブ氏はVirginia Mercuryに対し、このように述べています。

バージニア州北部は、世界有数のデータセンター集積地であり、米国内で次に大きな4市場(ダラス、シリコンバレー、シカゴ、フェニックス)を合わせたくらいの規模であると言われています。

Southern Environmental Law Centerのウィル・クリーブランド氏は、State Corporation Commission(州企業委員会)に対し、データセンターの利用状況は予測不可能であると指摘しています。「2050年に、ビハインド・ザ・メーター(behind-the-meter)発電や蓄電がどのような形になるのかわからない。データセンターがどれだけ効率的になるのか、オンサイト太陽光発電で運用されるようになるのかもわからない」

大手データセンター事業者は、太陽光発電や風力発電に資金を提供する事業者と電力購入契約(PPA)を結び、再生可能エネルギーの生産を促進しています。例えば、今週初め、GoogleはAES Energyと500MWの契約を結びました。これにより、同社のバージニア州にある2つのデータセンターで消費されるエネルギーの90%が、時間ごとに計測される再生可能エネルギーで賄われることになります。

Data Center Dynamics

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