マイクロソフト、オーストラリアの送電網に再生可能エネルギーを追加するために提携

マイクロソフトは、オーストラリアで再生可能エネルギーの容量を大幅に追加する大規模プロジェクトに関する最新情報を公開しました。このプロジェクトが始動すれば、マイクロソフトのオーストラリアのデータセンターにおける再生可能エネルギーの目標達成に貢献することが期待されています。

同社は昨年、ニューサウスウェールズ州のリヴァリーナにある新しいワラワラ太陽光発電所 (Walla Walla Solar Farm) について、Fotowatio Renewable Ventures Australia (FRV Australia) と15年間の電力購入契約 (PPA) を締結しています。マイクロソフトによると、このPPAは同社にとってオーストラリアで初めてのもので、持続可能なエネルギーソリューションの開発を専門とするFRV Australiaが、ワラワラ太陽光発電所プロジェクトの資金を確保する上で重要な役割を果たしたとのことです。

ピーク電力容量が約300MWのこの太陽光発電所は、電力網にクリーンなエネルギーを供給し、マイクロソフトが2025年までに100%再生可能エネルギー供給に移行するという世界目標の達成に近づけるよう設計されています。つまり、マイクロソフトは、同社のデータセンター、ビル、キャンパスのすべてで消費される二酸化炭素排出量の100%について、グリーンエネルギーのPPAを契約することになります。

またこのPPAにより、マイクロソフトは、2030年までに電力消費の100%、100%の時間をゼロカーボンエネルギーの購入でまかなうという「100/100/0」公約に向けて有意義な一歩を踏み出すことができると期待されています。

しかし、PPAは、マイクロソフトがこの移行を加速させ、より多くのデータセンターに再生可能エネルギーを供給する役割を果たすための一つの方法なのです。長期的なコミットメントを行うPPAを通じて購入することで、新しい発電をオンライン化するために必要な資金を調達することができます。また、新しい持続可能なエネルギーソリューションの開発に拍車をかけるために必要な需要シグナルを提供します。

「BloombergNEFの調査によると、2021年に企業がPPAを通じてクリーンエネルギーを購入した件数は、世界第2位でした」と、マイクロソフトANZのサステナビリティ最高責任者Brett Shoemakerは断言しています。「マイクロソフトは、世界中で10GW以上の新しい再生可能エネルギー容量の稼働に貢献するPPAを締結しています。」

「オーストラリアをはじめ、世界中でデータセンターへの需要が増え続ける中、私たちはデータセンターをより持続可能なものにするため、他の方法にも力を入れています。例えば、高度な水冷システムの採用、バックアップ電源のディーゼル燃料への依存度の低減、建設時の体積炭素の削減などです。例えば、アイルランドのマイクロソフト・データセンターでは最近、バックアップ電源としてだけでなく、送電網の安定したエネルギーの流れを維持するために使用できるバッテリーを設置しました。」

「また、国内外の政府、規制当局、エネルギー供給会社と密接に協力し、クリーンエネルギーの未来を支える政策を提唱しています。9月に発表した炭素と電力の政策に関する声明で、マイクロソフトの世界的な支持活動の指針となる優先順位と原則をご覧いただけます。」

「私は、他の組織に対しても、持続可能なエネルギーソリューションに対するPPAやその他の形態の支援を検討し、自らの持続可能性へのコミットメントを果たすだけでなく、オーストラリアの再生可能エネルギーへの移行に必要なインフラの開発を促進することを奨励します。このような長期的な投資こそが、FRV Australia のような団体にプロジェクトを実現させ、オーストラリアを世界をリードするグリーンエコノミーとして位置づけることにつながるのです。」

Digital Infra Network( Michael Nelson 記者)より抄訳・転載

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