Netflixがアメリカ森林財団と炭素除去契約を締結

米国南部での植林・再植林・植生再生プログラムを支援へ

米国の動画配信大手Netflixは、American Forest Foundation(AFF)と長期的な炭素除去契約を結び、米国南部での「植林・再植林・植生再生(ARR)」プログラムを支援することになりました。

この契約により、NetflixはAFFの「ファミリーフォレスト」プログラムを支援します。これは、農地を新たな森林へと転換する取り組みで、まず6,000エーカーの森林造成を開始し、アラバマ州、フロリダ州、ジョージア州、サウスカロライナ州を中心に展開を広げていく予定です。

Netflixは、植林が進むごとに一部資金を提供し、カーボンクレジットが認証された段階で残りの資金を拠出します。契約に関する投資額やカーボンクレジットの数量は非公開です。DCDはさらなる情報を求め、コンタンクトを取っています。

AFFのプロジェクトファイナンス・環境市場担当シニアディレクターであるJohn Ringerは、次のように述べています。「Netflixとの提携は、ビジネスと自然が連携することで何が可能になるかを表しています。適切な投資と科学があれば、自然気候のソリューションは、最も差し迫った保全課題に対処する強力かつ信頼性の高い手段となり得ます。Netflixのリーダーシップに感謝するとともに、他の企業もそれに続き、アメリカの地方コミュニティや家族経営の森林を支援する新たな取り組みへ投資していただけるよう、呼びかけます。」

このプロジェクトでは、これまで約2,500エーカーの土地に140万本以上の木が植えられてきました。AFFは、2032年までに規模を75,000エーカーまで拡大し、最大480万トン分のカーボンクレジット創出を目指しています。

カーボンクレジットの創出に加え、このプロジェクトは地域の土地所有者にプラスの影響を与えることを目指しています。これまで高額な初期費用や複雑な手続きを理由に、炭素市場から排除されてきた人々にも参加の機会を提供するため、AFFは植林準備や技術支援、30年間の契約期間中の年次支払いなどを全面的にサポートします。

Netflixのこの取り組みは、同社のバリューチェーン全体の脱炭素化戦略の一環です。現在、同社の温室効果ガス排出の95%以上がScope 3(クラウドサービス、コンテンツ制作、サプライチェーンなど)に該当しており、2023年の843,107トンから、2024年には986,738トンへと23%増加しています。

Netflixは2016年以降、AWSを主要クラウドプロバイダーとして利用しており、バックオフィス業務をすべてAWSに移行済みです。以前は、データセンターの小さなポートフォリオを通じて独自のサービスを運営していました。

同社は現在も独自のコンテンツ配信ネットワーク(CDN)を運営しており、顧客近くのエッジロケーションに設置された低遅延機器で構成されています。同社はまた、インターネットサービスプロバイダーと提携してNetflixのトラフィックをローカライズし、トランジットプロバイダーを介して提供されるトラフィックの配信を最小限に抑えるオープンコネクトプログラムも運営しています。

なお、ARRプログラムへ支援を行う企業はNetflixだけではありません。マイクロソフトも今年、Rubicon Carbonとの契約を通じて1,800万トン分のカーボンクレジットを取得するなど、同様の取り組みを進めています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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