【OVH火災事故】Octave Klaba氏はUPSシステムが燃えていたと発言
明確な原因はまだ特定されていないが、ストラスブールのOVHcloud火災事故は、UPS保守の翌日に発生していた
フランスのクラウドプロバイダーOVHcloudが明らかにしたところによると、消防士が水曜日にストラスブールSBG2データセンターの壊滅的な火災現場に駆け付けた際に、 UPS システムが炎上していたのを発見していた、と述べています。
SBG2全体と隣接するSBG1の一部を焼損させた火災の原因はまだ特定されていませんが、OVHcloudの創設者Octave Klaba氏はビデオ映像の中で火災について次のように話しています。「消防士が赤外線カメラで撮影した写真を見ると、UPS7とUPS8が炎上していたことが明らかになった。また、UPS7は火災が発生する前日にメンテナンス作業が行われていた」
OVHcloudのアップデート情報では、ストラスブールサイトの データセンター 4棟全ては来週までは稼働しないと述べています。サイト上のサービスも引き続き停止したままの状態です。
UPSが着火剤?
「サプライヤーが訪問し、UPS7内の多くの部品を交換し、午後に再起動が行われた。動作しているように見えたが、朝には火事になっていた」Klaba氏はビデオ映像の中でこのように話しています。
Klaba氏は、UPSが明確な原因であるとは断定していません。「今時点で、すべての答えがあるわけではない」と彼は述べています。OVHcloudのスタッフは、火曜日の午後11時42分に警報に対応しましたが、データセンターの影響を受けた箇所にはすでに煙が充満していたと言います。「2分後、非常に危険であった為、スタッフはその場から立ち去ることを判断した」
消防士の赤外線カメラによりUPS7とUPS8が燃えていたことが判明しましたが、現場カメラから更なる情報が今後抽出されると思われます。「ストラスブールには300台のカメラが設置してある」とKlaba氏は述べています。「私たちは、火災発生原因のすべてが明らかになると期待している。私たちは皆様にあらゆる情報を提供していく」
Klaba氏はビデオ映像の中で、交換用のサーバを迅速に稼働させていくと約束しています。同社は、OVHcloudの独自設計に従いラックを構築するRoubaix工場での生産体制を強化しているため、週に2,500台のサーバを出荷でき、1か月以内に10,000台の新しいサーバを確保するとしています 。
SBG2は、他の多くのOVHcloud施設よりも古い設計を使用しており、効率的な冷却を行うために設計された金属製の立方体にサーバを収容する「ホスティングタワー」デザインを基本としているとKlaba氏は説明しています。「SBG2は2011年に建設された旧世代のデータセンター」「環境への影響に関する私たちの調査に基づいている」と彼は説明しています。
もともとOVHと呼ばれていたOVHcloudは、1999年に設立され、早い段階から水冷サーバを採用しました。拡張する前、当初は輸送コンテナで作られたデータセンターを基本としていました。2011年、SBG2は、対流冷却のメリットを享受する目的で、立方体の金属タワー構造体内にサーバを設置した最初の新世代データセンターのうちの1つでした。
その後、OVHはよりシンプルな水平ラック設計に移行し、SBG3・SBG4などの新しいデータセンター棟を建設しました。「SBG3はまったく異なる世代のデータセンターである。全く異なる構造物であるため、全く火災の影響を受けなかった」
2011年以前は、ストラスブールの旧施設を含めてOVHのデータセンターは、輸送コンテナを積み重ね構築されていました。2017年、同社は、ストラスブールキャンパスが1日停電するという長時間の停電事故に見舞われました。この事故では、同社のRoubaix施設への接続も切断されました。その後、OVHはコンテナベースの施設を解体し、恒久的な施設に置き換え、既存の工場ビル内に施設を作るといった慣行に移行しました。
Data Center Dynamics
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