Veon社、楽天と提携しウクライナの通信インフラ再建を支援
Veon社は、楽天シンフォニーと提携し、ウクライナのインフラ再建を支援すると発表しました。
両社は、同国の通信サービスを強化する取り組みの一環として、Open RAN技術を推進する覚書に署名しました。
Veonは先週、この合意に基づいて、両社はウクライナで次世代のデジタルサービスを実現し、強化された5Gを提供する「堅牢かつ将来性のある通信インフラ」の構築に取り組むとコメントしました。
ウクライナでの5G展開に関して、VeonはOpen RANが果たせる役割を認識しており、この技術の業界最大の提唱企業の一社である楽天との契約を締結しました。
楽天は今年初め、オープン無線アクセス・ネットワーク(Open RAN)の欧州での普及に向けた日英間の協力活動の一環として、英国にOpen RANカスタマー・エクスペリエンス・センターを開設しました。
今回の提携は、6月にVeonがウクライナの子会社Kyivstarに6億ドルを投資すると表明したことに続くものとなります。
アムステルダムを拠点とし、6つの市場で事業を展開するVeon社は、この投資は、モバイル通信事業者のインフラのアップグレード、接続性の向上、紛争で荒廃した国全体への4Gサービスの配備に充てられると述べています。
「Veonと楽天は、同じようなビジョンを共有しています。私たちはどちらも、それぞれの市場でコミュニケーションを再定義する、顧客重視、デジタル体験重視の企業です」と、VeonのグループCEO、Kaan Terzioğlu氏は述べています。
「楽天と提携し、人口5億1,000万人を擁する Veon の市場でビジネスチャンスを開拓できることを大変嬉しく思います。また、6億ドルの投資コミットメントによって最近実証されたように、復興が共通の優先課題となっているウクライナで、この事業を開始できることをうれしく思います」
Veonは、ウクライナへの侵攻を受け、いち早くロシア市場から撤退し、ウクライナ事業への支援をさらに表明しています。
同社は2月にロシア部門を現地経営者に売却する許可を政府から得ており、今年10月までに撤退を完了する予定としています。
Kyivstar社の戦争への対応
Kyivstarはウクライナ最大の電話会社で、2,430万人の携帯電話加入者と110万人の固定電話ユーザーを抱えています。
ウクライナとロシアが戦争している間、この通信事業者は、他の通信事業者とのインフラ共有や、避難所や新しい居住地への無料WiFiの提供などを通じて、より多くのウクライナ国民にサービスを提供してきました。
ウクライナの多くの地域では、ロシアのロケット弾攻撃によりモバイルインフラが打撃を受けました。一方、Veon社は、Kyivstar社の技術部門が侵攻以来約15万件の修理を行っており、ネットワークの93%が稼働可能であることを確認していると述べています。
11月、Kyivstar社はロシア軍の撤退に伴い、ケルソン、スニフリフカ、スターリイサルティヴ、リスネ、ヴェリキフートゥルの基地局を復旧させ、同国南部と東部の接続を回復させることに成功しました。
同事業者の4Gネットワークへの投資は、3年以内にウクライナの人口の98%を4Gサービスでカバーする計画の一環であり、これには小規模な遠隔地の集落も含まれます。
現在はオランダで登記されているVeon社ですが、その歴史的なルーツはロシアにあります。ロシアの通信事業者PJSC VimpelComは1992年にモスクワで設立され、1993年にBeelineブランドをローンチしました。オランダを拠点とするVimpelCom Ltd.の持ち株会社は2009年に設立され、2017年にVeonと社名が変更されました。現在、Veonは主にBeelineブランドを通じて、ヨーロッパとアジア全域で通信ブランドを運営しています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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