南極への初の海底インターネットケーブルが提案

南極の科学者を支援

南極への初の海底インターネットケーブルが提案されています。

アメリカ政府の国立科学財団(NSF)は、アメリカ最大の南極プログラム研究施設であるマクマード基地と、ニュージーランドまたはオーストラリアを結ぶケーブル建設の可能性を調査しています。

設置の主な目的は、マクマード基地への「高度な高速、低遅延の電気通信を提供すること」ですが、ケーブルには「追加のポイントセンサーおよび/または分散センシングインフラストラクチャが含まれ、初めて幅広い科学分野での無数の調査が可能になります」とNSFは述べています。

NSFは、南極へのケーブル建設が可能であると判断するためのフィージビリティ・スタディをすでに実施しており、2024年12月に、プロジェクトを前進させるための情報募集を発表しました。いつ開通するかは、まだ発表されていません。

ニュージーランドからのルートが有力視されており、オーストラリアからのルートよりも1,500km短く、建設費も安く、好ましい選択肢のようです。また、フィージビリティ・スタディでは、「ニュージーランドのルートは、科学研究者の意見が示すように、科学的な関心のある地域をより多くカバーしている」こともわかりました。

科学者たちは、ルート上の 「氷の洗掘」(氷山が動くこと)がケーブルを破壊するリスクは、比較的低いと考えています。

NSFは、「南極SMARTケーブルの開発を発展させるために、一般からの情報を求めています」と情報提供を呼びかけています。

さらにNSFは、「ケーブルへのリスクを最小限に抑え、科学研究の可能性を最大化する海底ケーブルルート、含まれる可能性のある科学センサーの範囲、およびそれらの地理的分布、将来のセンサーケーブル構築または海底観測スタイルのポイントセンサーアレイのための電源付きケーブル分岐ユニットの位置、既存または有望な分散型ファイバーセンシング技術を組み込むための概念に関する情報を要求しています。 そして、そのようなケーブルシステムを開発するために必要な技術を触媒する道筋を提案しました」と語っています。

協議期間は、2025年1月15日までです。

商業海底ルートに関しては、南極大陸はケーブルフリーゾーンであり続ける可能性が高く、この地域を通じて長距離接続を開発することに明らかな経済的利益はありません。

しかし、極北の地では、アラスカを拠点とするFar North Fiberプロジェクトと、北極の氷床を経由するケーブル敷設を提案するPolar Connectの2つのケーブルルートが開発中です。どちらのルートも、北極海航路を経由してアメリカ、ヨーロッパ、アジアを結ぶことを目指しています。

今月初め、Polar Connectは欧州連合(EU)から400万ユーロ(約420万ドル)の助成金を受け、北極海の地図を作成しました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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