ソフトバンク、商船三井と提携しOneWeb衛星経由の海上ブロードバンドを展開へ

ソフトバンクは、日本の海運大手の商船三井、船舶開発会社のe5ラボと提携し、OneWebの衛星を利用した海上での衛星通信活用に向けた共同検討を開始すると発表しました。

3社は、OneWebの低地球軌道(LEO)ブロードバンド衛星を利用して、海上の船舶に海上ブロードバンド通信を提供する覚書を締結しました。
ソフトバンクは、OneWebの海上における衛星通信サービスを活用し、「海上ブロードバンド通信の導入」と「海運産業の安全・安心・効率的なデジタル化」を推進していくとしています。

この覚書には、海上における衛星ブロードバンドを利用した海上輸送のデジタル化に関するユースケースの検討や、商船三井グループが運航するフェリー「さんふらわあ」にOneWebの衛星アンテナを搭載し、 海上でのOneWebの衛星通信サービスの利用に関する実証実験などが含まれています。

e5プロジェクトは、商業用の自律型電気船舶の開発を目指しています。また、電気や水素のバッテリーを使い、太陽光などの再生可能エネルギーで充電できるタンカーやタグを開発しています。

ソフトバンクは、2019年にe5社と提携し、船舶に搭載したIoTデバイスを用いてOneWeb衛星による遠隔監視を行うなど、衛星を用いた海洋ブロードバンドサービスの研究を行ったことがあります。両社は2020年にテストを行い、成功を収めました。

OneWebはもっぱらホールセール市場をターゲットにしており、これまでにHughes and PeratonAT&TSoftBankBTRock Networks、Alaska Communications、Galaxy Broadband、Pacific Dataport などと契約を結んでいます。 OneWebのエグゼクティブチェアマンであるSunil Bharti Mittal氏は先月、他の通信事業者のパートナーと「数十件のかなり進んだ段階での協議」を進めているとし、また、インド、東南アジア、サハラ以南のアフリカの国々をカバーするために、彼が所有する通信事業者のAirtelとの提携について話していました。

同社は10万台以上の民生用端末を販売したとしていますが、ホールセール側では、競合のLEO衛星企業であるスターリンクが、これまでに日本の通信事業者であるKDDIとバックホール契約を結んだのみです。

ソフトバンクは、これまでに数多くの「非地上型」接続技術に対し投資を行っています。OneWebへの投資に加え、先日GoogleのProject Loonへの出資も行い、プロジェクト終了後には同プロジェクトから多くの特許を取得するとしています。また、同社はHAPSMobileという高高度プラットフォームステーション(HAPS)の子会社を保有し、更にエアロスタット(係留気球)の会社にも出資しています。

同社は6月には、NTN(Non-Terrestrial Network)サービスと称して、HAPS、OneWebのLEO衛星コンステレーション、およびSkyloを介してNB IoT(Narrowband Internet of Things)サービスを提供するGEO(Geosynchronous Earth Orbit)衛星を組み合わせて、上空から接続ソリューションを提供するサービスを開始しました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。