ソフトバンク、Nvidia本社でエッジアプリ向けAI-RANソリューションを導入

ソフトバンク株式会社は、米カリフォルニア州サンタクララにあるNvidiaの本社に、同社の統合型AI-RANソリューション「AITRAS」を導入しました。

同社によると、Nvidia本社へのAITRAS導入により、新しいエッジAIアプリケーションの開発が可能になるとのことです。

ソフトバンクは、このライブ実装により「AI and RAN」および「AI for RAN」の技術革新とさらなる検証を促進し、新しい「AI on RAN」向けのアプリケーションの開発が可能になります、と説明しています。

ソフトバンクとNvidiaの提携は、NvidiaのGH200 Grace Hopper Superchipをはじめとするコンピューティングプラットフォームを活用し、AIを活用した次世代の5G/6Gワイヤレスネットワーク向けデータセンターの構築を目指しています。

ソフトバンクは昨年11月に、AIベースの高速コンピューティングプラットフォームと、完全にソフトウェア化されたvRAN(仮想無線アクセスネットワーク)を活用した統合型AI-RANソリューション「AITRAS」を発表しました。

Nvidia本社での屋外フィールドトライアルの導入は、ソフトバンクとNvidiaの「戦略的協業における最初の具体的成果」だと、ソフトバンクは述べています。

今後、ソフトバンクはNvidiaと協力しながら、モバイルエッジAIアプリケーションのさらなる発展に取り組むとしています。

また、ソフトバンクはこの分野ですでに進展を遂げており、Nvidiaと共同で「ポーターロボット」を開発したことも明らかにしました。このロボットは大規模言語モデル(LLM)を活用しており、Nvidia本社での実証実験も完了しています。

AITRAS上で稼働するLLMを活用することで、このロボットは荷物を運び、訪問者の服装に関する口頭指示に基づいて追従することが可能です。

Nvidiaの通信担当副社長Soma Velayuthamは、「AI-RANは次世代AIネイティブワイヤレスネットワークの道を切り開いています」と述べています。

「ソフトバンクのAITRASは、NvidiaのAI Aerialを活用することで、Nvidia本社での導入を通じて、より幅広いパートナーエコシステムにアクセス可能となり、AI-RANのあらゆる次元でのイノベーションを加速させます」と同氏は続けました。

さらに同日(3月19日)、ソフトバンクは通信業界向けの生成AI基盤「Large Telecom Model(LTM)」の開発も発表しました。

ソフトバンクは、LTMをベースに開発したさまざまなAIモデルをAITRASと統合する予定です。

同社によると、LTMはソフトバンクの膨大なネットワークデータや、長年にわたって蓄積された設計、管理、運用ノウハウなど、多様なデータセットでトレーニングされています。

「LTMは、セルラーネットワークの設計、管理、運用における高度な推論を可能にします。今後、ソフトバンクはLTMの研究開発をさらに進め、自社の運用への導入を目指していきます」と、同社は述べています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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