
Oracleが年間300億ドル相当のクラウド案件を公表
顧客名は不明だが、OpenAIの可能性も
Oracle(オラクル)は、28年度から年間300億ドル以上を費やすクラウド顧客との契約を締結しました。
規制当局への提出書類で明らかになったこの契約は、史上最大のクラウド契約となる可能性がありますが、提出書類ではその背後にいる企業がどの企業であるかは明らかにされていません。
Oracle創業者のLarry Ellisonは3月、同社がOpenAIとソフトバンクの5000億ドル規模の「Stargate」データセンタープロジェクトと最初の契約を結ぶと予想しており、生成AI企業のOpenAIは、このような野心的なクラウド契約に資金を提供するのに十分な規模の企業の一つであると述べました。
同時に、オラクル自身もStargateへの投資家であり、アビリーンに建設されるStargateの最初のキャンパスに取り組んでいます。このプロジェクトについては、現在発売中の最新号の「DCD Magazine」で特集しています。
6月には、オラクルがOpenAIのワークロードをサポートするために、最大5GWのデータセンター容量を探しているという報道が浮上しましたが、これはStargateプロジェクトとは別のもののように思われます。
最新の提出書類の中で、オラクルCEOのSafra Catzは、すでに2026年度に向けて「好調なスタートを切っている」と述べ、複数の大規模なクラウドサービス契約をすでに締結済みであることを明らかにしました。
先月、同社は中国のeコマース企業Temuからの「巨額契約」を発表しました。また、IBMともハイブリッドクラウド契約を結んでいます。
生成AIの急成長以前は、オラクルの最大級のクラウド顧客の一つがTikTokでした。中国のソーシャルメディアプラットフォームであるTikTokは、米国のドナルド・トランプ大統領の第1期在任中に、同大統領がTikTokの禁止を示唆したことを受けて、オラクルに移行しました。その後、生成AIの波に乗って、ライバル企業のマイクロソフトがオラクルのデータセンターを利用するようになりました。
トランプ大統領は今週、アメリカ政府がTikTokのアメリカ事業の買収者を見つけたと述べ、その正体は 「約2週間以内に」明らかにすると発表しました。その買収者について、「非常に裕福な人々のグループ 」だと説明しています。
同社は以前、Walmartと組み、マイクロソフトとの競争を抑えて米国事業を買収することが決まっていました。今回は、オラクル、マイクロソフト、YouTuberのMrBeast、Perplexityなどが立候補しているとみられています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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