
米国データセンター建設投資が2025年に1,210億ドル規模へ
一方で、バージニア州ではデータセンター投資の減速傾向が継続
2025年、米国のデータセンター不動産向けに1,210億ドルの融資が貸し手によってコミットされ、データセンター向け金融需要が急増していることがS&P Globalの分析で明らかになりました。
S&Pによると、銀行にコミットされた融資総額は前年比で約300億ドル増加しましたが、融資総数は32件減少し、2025年には高額な融資案件が多く見られたことを示しています。これらは、大規模データセンター建設をけん引しました。小規模・大規模の銀行が、信用枠、資産担保証券、商業用不動産担保証券、産業収益債など、さまざまな金融手段を通じて参加しました。
大手銀行はハイパースケーラーのニーズを取り込んでおり、投資銀行部門を活用して証券化商品を扱っています。S&Pは、こうした銀行が需要急増の恩恵を「大きく受けている」と述べています。
融資はリスク分散のため、複数の銀行にシンジケートされています。たとえば、最近QTS Realty Trustに対して実行された69.2億ドルの融資は、11の金融機関に分散されました。先週、QTSは同様の方式で複数銀行が参加する資金調達ラウンドを発表しました。
S&Pは、これらの案件が銀行セクター全体の「広範な参加」を確保しており、中小銀行もシンジケートローンや小規模プロジェクトの資金提供を通じて関与していると述べています。
こうした、融資は地理的分布も変化しているとS&Pは指摘します。データセンター融資の上位10州は、主要データセンター拠点と一致しますが、ニューメキシコ州のようなフロンティア市場でも新規プロジェクトが出現しています。同社は、これは「税制優遇制度、エネルギー供給、土地利用の条件が合致した地域へのシフト」を示すものだと述べています。
JLLの最近のレポートでも同様の傾向が指摘されており、テキサス州は電力や土地の利用可能性、ビジネスに優しい環境を背景に、2030年までに世界最大のデータセンター市場になると予測されています。
S&Pの分析では、テキサス州は2025年のデータセンター融資の受取額で世界第3位となり、160億ドルの融資を受けています。S&Pがフロンティア市場として注目するニューメキシコ州は45億ドルで6位です。アリゾナ州が410億ドル超でトップ、続いてイリノイ州が220億ドル弱で2位でした。
現在世界最大のデータセンター市場であるバージニア州は9位で、2025年に記録されたデータセンター物件向け融資額はわずか30億ドルでした。
AI時代においてフロンティア市場は大きな成長を遂げており、建設の約3分の2がこれらの市場で進んでいます。
一方で、バージニアのような市場はデータセンター企業からの大規模投資によって、電力インフラに負担がかかり、成功の副作用に苦しんでいます。
先週、歴史的にデータセンターに寛容だったバージニア州の議員らは、州内のデータセンターが税控除を受け続けるために環境配慮の実績を証明することを義務付ける法案を可決しました。
この法律では、データセンターが送電網から供給される化石燃料由来の電力をすべてクリーンエネルギークレジットで相殺すること、さらにディーゼルバックアップ発電機を段階的に廃止し、グリーンな代替手段へ移行することが求められます。
また、バージニア州では、州の電力会社が契約済み容量の負荷に苦しむ中、新規データセンタープロジェクトの一時凍結(モラトリアム)も検討されています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
















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