Amazon取締役会、データセンター拡大による気候影響の開示強化を求める株主提案の却下を要請

非営利団体As You Sowによる提案

Amazonの取締役会は、同社のデータセンター事業がサステナビリティ目標に与える影響について、より詳細な情報開示を求める株主提案を否決するよう株主に要請しました。

The Registerの報道によると、この提案は、企業の社会的責任を推進する非営利団体であるAs You Sowの代理人であるBrian Karigerと、アメリカ慈悲修道女会の投資部門であるMercy Investment Servicesによって提出されました。

この提案では、Amazonが今後15年間で最大1,500億ドルに上る大規模なデータセンター拡張を進めた場合、電力需要が2倍以上に増加する可能性があると指摘しています。同社が掲げる「2040年までの炭素排出ネットゼロ(実質ゼロ)」や、「2030年までの使用電力の100%再生可能エネルギーによる供給(マッチング)」というClimate Pledgeの取り組みを認めつつも、提案では大規模なデータセンター拡張を進めながらこれらの約束を果たす能力に疑問を投げかけています。

提案には、次のように記されています。「AI向けにデータセンターを拡張する中で、Amazonが気候変動対策に関するコミットメントを達成できるのかについて、いくつもの懸念要因があります。2040年までの炭素排出ネットゼロ(実質ゼロ)を達成できるのでしょうか。Amazonは2023年に、使用電力の100%を再生可能エネルギーで供給(マッチング)したと発表しましたが、データセンター拡張計画を踏まえた場合、将来にわたってこれを維持できるのでしょうか。」

その上で、同提案はAmazonに対し、「AIおよび同社が建設を計画しているデータセンターによって大幅に増加するエネルギー需要を踏まえ、温室効果ガス排出量に関してこれまでに行ってきた気候変動関連誓約をどのように履行するのかを説明する報告書の公表」を求めています。

これに対し、Amazonの取締役会は次のように書面で回答しています。「当社は、気候目標の達成に向けた進捗状況、イニシアチブ、取り組みについて、すでに定期的かつ公開情報として最新情報を提供しています。具体的には、炭素排出強度に関する定期的な報告や、AIワークロードのカーボンフットプリント削減、およびデータセンターをより持続可能で効率的なものにするための取り組みに関する報告が含まれており、これらについては既に詳しく説明しています。その結果、現在の当社の公開報告は、本提案で指摘されている具体的な課題にすでに対応しており、提案で求められている報告書は不要です。」

DCDは2025年12月、AWS Re:Inventカンファレンスの場で、AWSにおける米州地域の電力・水資源責任者であるBrandon Oyerに対し、大規模な建設拡張がサステナビリティ目標にどのような影響を与えているのかを取材しました。

同氏は、次のように述べました。「私たちは引き続き2040年を見据えており、2040年までに炭素排出ネットゼロを達成しなければならないと認識しています。顧客もそれを望んでおり、私たちもそれが正しいことだと考えていますが、その道筋は直線的なものではないことも分かっています。また、AWSは風力発電や太陽光発電、小型モジュール炉、地熱エネルギー、バッテリー蓄電システムなどへの検討および投資を継続しています。Amazonはビジョンについては非常に頑固ですが、細部については柔軟です……目標を反故にするような世界は想像できません。」

Amazonは、拡大するユーザー需要に対応する中で、近年、CO2排出量が急増しています。昨年、同社のCO2排出量は約6,825万トンに達し、前年比6%増でした。排出量が増加している一方で、再生可能エネルギー調達における実績を積極的にアピールしています。今月初め、BloombergNEFの調査に基づき、Amazonは欧州最大の法人再生可能エネルギー購入者になったと主張しました。

同社によると、現在、欧州では10GWを超える再生可能エネルギー容量を契約済みで、世界全体では40GW以上に達しているとのことです。Bloombergの2月の報道によると、AmazonはMetaと並び、過去1年間で世界最大の再生可能エネルギー購入者となり、両社合わせて原子力4.7GWを含む合計20.4GWを契約したとのことです。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。