自社サーバからクラウドへ!移行メリットと運用上の注意点【コラム】
クラウドの運用の注意点には何があるのか?
クラウドの導入には、どのようなメリットがあるのか理解していただけたと思います。
ここからは、クラウドを利用し運用するうえでどのような点に注意すればいいのかについて説明していきます。
① セキュリティの管理
クラウドサービスであれインターネットに接続する必要のあるサービスには、個人情報や機密情報の情報漏洩などが発生してしまうリスクがあります。
クラウドの利用の際には、セキュリティ対策についてはクラウドサービス事業者が対策を行ってくれることになっていますが、利用者側として全くセキュリティについて考えないというのは危険です。
なぜなら、クラウドサービス事業者で働くエンジニアも人間であり、人間が管理している以上100%安心できるということはありえないからです。
サービス事業者がきちんとデータのバックアップを実行できているか?、暗号化処理は適切に行えているのか?、OS・ミドルウェア・アプリケーションのバージョンが最新の状態であるか?などを定期的に確認しておくことがセキュリティ上のリスクを抑えるうえで重要になります。
② システムのカスタマイズが難しい
クラウドサービスは、 プライベートクラウド (ホステッド型)のようなものは除いて、基本的に仮想化基盤に関する事項については自社の都合に合わせて利用ユーザ側から変更することができません。
そこで、クラウドの導入時には、事前に自社で必要となるサーバのスペックや必要な機能などを把握したうえで、それらのニーズに合致したサービスを選択することが重要になります。
事前のサービス選択の計画をきちんと立てておくことによって、システムのカスタマイズが難しい問題をクリアすることができます。
③ クラウドも落ちることがある
自社サーバを自前で管理・運営するよりクラウドサービスを利用した方がシステムダウンのリスクから解放される、とお考えの方も多いかと思います。一般的にクラウドは、普通のオンプレミスより堅牢でセキュアだと言われています。しかし、クラウドも実は100%安心ではなく、ダウンするリスクを抱えています。
事実、以下の通り、この直近1年間で見てもAWS、Microsoft Azure、GCPは障害を起こしています。
- Google Cloud Platform:us-east1(2019年7月)
- Amazon Web Services:東京リージョン(2019年8月)
- Microsoft Azure:米国中西部リージョン(2020年3月)
もちろん各クラウドサービスプロバイダも完全なサービス停止を起こさないよう、各地域( リージョン )ごとに アベイラビリティゾーン (または ゾーン )を設け近接データセンター間の負荷分散、冗長構成を組んでいます。しかしながらあるデータセンターで障害が起きた場合に負荷が高まり、遅延が発生し、結果的に繋がらない、アクセスができないといったトラブルに見舞われることがあります。
特にわずかな時間のサービス停止でも業務や業績への影響が大きなシステムは、クラウドサービス自体や アベイラビリティゾーン の分散管理などで、自己防衛することになりますが、当然コストはそれに伴い上昇します。
まとめ
ここまで、自社サーバからクラウドサービスの利用に乗り換えるうえでのメリット、そして運用の注意点について簡単に説明しましたが、いかがでしたか?
自社サーバからのクラウドへの移行はメリットがとても大きいですが、完全にクラウドサービス事業者に丸投げしてしまうのではなく、こちらからもある程度セキュリティなどの対策をして機密情報、顧客情報などをしっかりと保護することも重要です。またサービス障害発生時の備えも考えておく必要もあります。
自社サーバからクラウドサービスへの乗り換えを検討されている方は、本記事で説明した内容を参考に、役立てていただければ幸いです。
あるいは、各企業は自社が運用するシステムの特性を考えたうえで、クラウドへの移行ではなく、あえてオンプレミスに留まるという判断もあるでしょう。
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