Meta/Facebook、AWSを「長期的戦略クラウドプロバイダー」と発表

企業買収、サードパーティとの協業、AI研究開発を対象。しかし、広大な自社データセンターインフラの拡張方針は変わらず

Meta(旧Facebook)は、Amazon Web Services(AWS)との連携を深めたと発表しました。

同社は、既存のオンプレミス・インフラを補完する目的でAWSを既に利用していますが、その利用を更に拡大していくと述べています。

Metaは、サードパーティ企業とのコラボレーションについてはAWSで実行し、また、既にAWSを利用している企業の買収をサポートするためにクラウドを利用していくと述べています。

同社はまた、Meta AIグループの人工知能の研究開発にもAWSのコンピュートサービスを利用していくとしています。両社は、フェイスブックAIリサーチラボが主に開発しているオープンソースの機械学習ライブラリ「PyTorch on AWS」の利用顧客のパフォーマンスを向上させるために協力しています。

「MetaとAWSは、過去5年間に渡って協力関係を拡大してきた」AWSのビジネス開発・産業担当副社長のKathrin Renzはこのように述べています。

「今回の契約により、AWSはMetaの研究開発を引き続き支援し、イノベーションを推進し、サードパーティやオープンソースコミュニティとの大規模なコラボレーションを支援していくことになる。MetaとAWSのPyTorchでの協業により、お客様はAWS上での深層学習モデルの構築、トレーニング、デプロイを容易に行うことができるようになる」

Facebook、Instagram、WhatsApp、OculusにおけるMetaのワークロードの大半は、これまで通り同社のデータセンター内で実行されます。同社は毎年、施設やサーバー、海底ケーブルなどに数百億ドルを投じて、グローバルな事業展開を進めています。

先月、同社は2022年にデータセンター、サーバー、オフィスなどに対し290億ドル~340億ドルの資金を投じるとする発表を行いました。

「設備投資額の増加の大きな要因は、AIおよび機械学習機能への投資であり、フィードやビデオを含む当社プロダクト全体に渡るランキングやレコメンデーション、あるいは広告パフォーマンスおよび関連性の向上に役立つものと期待している」最高財務責任者のデビッド・ウェナーは当時このように語っていました。

同社はまた、AI投資の一環として、自社データセンター及びホールセール施設でのみ使用される、動画のトランスコーディングやレコメンデーション用の自社製AIチップの開発も行っています。

AWSとのパートナーシップの深化により、同社の現在のワークロードの処理やユーザーデータの保存の場所が劇的に変わることはないと考えられます。しかし、同社がAWSを利用する企業を買収した場合には、それが変わる可能性があります。

2012年にFacebookに10億ドルで買収される前のInstagramは、AWSの主要ユーザーでした。その後の2年間で、Facebookは200億枚以上の写真データを自社データセンターに移行しました。また2014年に160億ドルで買収されたWhatsAppは、IBMとAWSの両方を利用していました。

今回の契約の元では、いずれのケースもAWSに留まることになります。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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