マイクロソフト、今後のデータセンターでクローズドループの水蒸発ゼロ設計を使用

フェニックスとマウントプレザントの施設は2026年から新しい設計を採用

マイクロソフトは、今後建設予定のデータセンターに水蒸発ゼロの設計を導入する予定です。

このクローズドループシステムは、2026年にアリゾナ州フェニックスとウィスコンシン州マウントプレザントに建設中のデータセンターで、試験的に導入される予定です。

2024年8月以降に設計されるマイクロソフトのデータセンターはすべてこの新しい設計を採用し、2027年後半から運用開始の予定です。既存の施設は、空冷式と水冷式が混在したままとなります。

マイクロソフトは最新のサステナビリティレポートの中で、データセンター1カ所あたり年間1億2500万リットル以上の水を消費し、平均水使用効率(WUE)は0.30L/kWhだったと述べています。

マイクロソフトのデータセンター・インフラ・エンジニアリング担当VPのSteve Solomonは、以下のようにコメントしました。「チップレベルの冷却ソリューションを採用することで、水が蒸発することなく正確な温度制御を実現することができます。」

「これらの新しい液体冷却技術は、クローズドループを通して水を再利用します。建設中に一旦システムに水が満たされると、サーバーと冷却装置の間で絶えず水を循環させ、新鮮な水の供給を必要とせずに熱を放散させます。」

「次世代データセンターへの移行は、ゼロ水蒸発を採用する各データセンターのWUEをゼロに近づけるのに役立つと期待されています。」

蒸発式システムから機械式冷却に移行することで、データセンター設計の電力使用効率(PUE)が向上することが期待されます。

「しかし、当社の最新のチップレベルの冷却ソリューションにより、前世代のITハードウェアよりも暖かい温度を冷却に利用できるようになり、水温を上昇させた高効率のエコノマイジング・チラーで電力使用を軽減できるようになります。」

その結果、データセンターの電力使用量は「わずかながら」増加する見込みとのことです。しかし、同社は、「より的を絞った冷却」を提供し、電力使用量を削減するための他の技術革新に取り組んでいると述べています。

同社は10月、データセンターへのクロス・ラミネーティッド・ティンバー(CLT)構造の導入も試験的に行っていると発表しました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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