VattenfallとCloud&Heatが廃熱再利用DCを開発

スウェーデンのストックホルムに本社を置く大手電力会社・エネルギー会社のVattenfall社は、エネルギー効率の高いデータセンターを手がけるドイツのCloud&Heat Technologies社と協業し、廃熱を再利用する効率的なモジュラー型データセンターのプロトタイプを開発しました。

この検証用システムでは、Nvidiaなどのメーカー製の1,600個の高性能グラフィックカードを搭載した(ドレスデンにある) Cloud&Heatの水冷式20フィートコンテナが2つ使用されます。 今後はストックホルムの南に拠点を置き、Vattenfallが運営し、クラウドサービスを提供するとともに、地元の地域暖房システムに熱を供給します。 施設は2020年の第3四半期にオープンが予定されています。

熱×コンピューティング

「 公共事業の業界におけるデータセンターからの廃棄物活用については10年~15年前からありましたが、空冷システムからの廃熱は非常に低いグレードでした。今回の熱は60度の水になる。これはゲームチェンジャーになり得る。」と、Vattenfallの戦略・ビジネスインテリジェンス部門責任者のBirger Ober氏はDCDに語りました。

電力会社は暖房分野の脱炭素化を検討しており、故にこのようなアプローチの機会が生まれたとOber氏は言います。両社は、関連するデータセンターでのサービスが顧客にとって魅力的となることを期待しています。

– shutterstock

データセンターは、Vattenfallが保有する熱電併給システム( CHP : combined heat and power )プラントと同じ場所に建てられ、Ober氏が「熱とコンピューティングの結合」( CHC :combined heat and compute)と呼ぶコンセプトを付加します。 CHPプラントのおかげで、このサイトにはすでに既存の地域熱供給システムへの入力線があります。また、光ファイバ網へのアクセスも可能なため、クラウドサービス基盤を構築できるのです。

クラウドサービスは公益事業体にとって新たな出発点となりますが、パートナーのCloud&Heat社は成功する可能性はかなり高いと評価しています。「公益事業体は将来、新たなクラウドプロバイダーになりうると考えている。」とCloud&HeatのCEOのNicolas Röhr氏はDCDに語りました。「彼らはグーグル、アマゾン、マイクロソフトの最大かつ最も賢い競合になるだろう。彼らはすべてを持っている、そして電力や熱を再利用する、光ファイバ網を持つ事もあり、施設もあり、既に顧客もついている。」

公益事業体は、アップストリームのデータインフラを必要とする車両充電ステーションなどの新しいビジネスモデルやプロジェクトにも関与しているとRöhr氏は述べています。

Vattenfallは排熱利用において十分にこなれており、Ober氏は廃棄物というよりも副産物と呼ぶことを好んでいます。「まさに卵の殻のようなものだ。卵を食べたいなら、卵の殻があり、それは活用できる副産物である。」

Ober氏は、2019年に開始された産業コラボレーションであるSustainable Digital Alliance (SDIA) のCEOも務め、これはデジタル経済の要求を満たすグリーンなインフラの実現を目指しています。SDIAには、Cloud&HeatとVattenfallに加え、液体冷却ベンダーのAsperitas社を含む公益事業体およびデジタル業界の企業が参加しています。

Data Center Dynamics

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