IBM、量子コンピューティングの画期的な進歩を発表

IBMは、IBM Quantum Summit 2022のイベントにおいて、量子ハードウェアおよびソフトウェアにおける画期的な進歩を発表し、量子コンピューターを中心とした革新的なビジョンについて概説しました。

IBMは、クライアント、パートナー、開発者らによる広範な量子エコシステムと、効果的な量子コンピューティングを世界に普及させるための継続的な取り組みを紹介する年次イベントで、この発表を行なったのです。

IBMのシニア・バイスプレジデント兼IBM Researchディレクターのダリオ・ギル博士は、新たな433量子ビットの「Osprey」プロセッサの導入により、これまで困難とされてきた量子コンピュータによる問題解決に向け前進したと述べています。

「IBMは世界中のパートナーや顧客らと協力し、現代における最大の課題に取り組むため、ハードウェア、ソフトウェア、古典的なコンピューターとの統合といった技術を駆使して、量子技術のスケールアップと進化を継続的に行っています。この研究は、来るべき量子コンピューターを中心としたスーパーコンピューティングの時代の基礎となることを証明するものです」

今回のサミットで、IBMは以下の新開発製品を発表しました。IBM Osprey – IBM の新しい 433 量子ビット (qubit) プロセッサ。このプロセッサは、古典的なコンピュータの能力を超える複雑な量子回路を実行する可能性を有しています。 エラー訂正と軽減に対応した新しい量子ソフトウェア IBMは、Qiskit Runtimeのベータ版アップデートを公開しました。このアップデートでは、APIのシンプルなオプションにより、ユーザーがエラー数の削減と速度を交換できるようになりました。IBM Quantum System Two update – IBMの次世代量子システムIBM Quantum System Twoの詳細を更新しました。

最も重要なのは、顧客とのエコシステムの拡大です。IBM Quantum Networkの成長:IBMはまた、ドイツの企業であるBoschがIBM Quantum Networkに参加し、さまざまな量子ユースケースの調査を行っていることを発表しました。その他、多国籍通信会社であるVodafoneは量子コンピューティングと量子安全暗号を調査し、フランスの銀行 Crédit Mutuel Alliance Fédérale は金融サービス業界でのアプリケーションシナリオを調査し、スイスのイノベーションキャンパスである uptownBasel  は量子およびハイパフォーマンスコンピューティング技術に関する主要イノベーションプロジェクトの推進とスキル開発の育成を行うというもので、最近のネットワークへの追加を発表しました。

これらの企業は、20台以上の量子コンピュータからなる最大規模のクラウドを利用することで、200以上の組織と45万人以上のユーザーに参加することになります。

IBMフェロー 兼IBM Quantumのバイス・プレジデント の ジェイ・ガンベッタ 氏によると、量子計画を進める中で、IBM Quantum Summit 2022は世界の量子コンピューティング産業の発展における転換点を意味します。量子システムのスケールアップを進め、運用を容易にすることで、量子分野の採用や拡大は今後も進むでしょう。

「私たちの飛躍的な進歩は、量子における次の波を定義するもので、私たちが量子コンピューターを中心としたスーパーコンピューティングと呼ぶ、モジュール化、通信、ミドルウェア、計算能力の拡張、量子と古典的なワークフローの統合に貢献します」

W.Media(Hazel)より抄訳・転載

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