富士通が量子研究センターと256量子ビットシステムでANUと合意

ANUは理研の量子システムにアクセス

Fujitsu Australia Limited(以下、富士通オーストラリア)は、キャンベラにあるThe Australian National University(以下、オーストラリア国立大学)と、量子研究センターを設立する覚書を交わしました。

この覚書に基づき両者は、2025年に256量子ビットのオンプレミス量子コンピュータを、新センターに建設する「野望」も発表しました。最大1000量子ビットを含む2台目のマシンは、2026年にリリースされる予定です。

これらのマシンの建設を、サポートするため富士通オーストラリアは、ANUの研究者や学者に対し、日本の研究機関である理化学研究所にある、同社の既存の量子システムおよび、シミュレーターへのアクセスを提供する予定です。理研には現在、富士通製の「富岳」があり、2020年の稼働開始時には、世界最速のスーパーコンピューターとなりました。

理研は、富士通製の量子コンピューターを2台導入しており、もう1台は、IBMと提携しています。

年2回発表される、世界最速のスーパーコンピューターリスト「Top500」の最新版によると、「富岳」は、米国以外では依然として最高ランクのシステムだが、全体では4位に落ちています。

このMoUによりANUは、富士通が研究者に付与したアクセス権に基づく教育・訓練モデルを開発し、大学の量子コンピューティングへのアプローチを、さらに充実させることになります。

富士通株式会社 執行役員 EVP Asia Pacificリージョン Graeme Beardsellは、次のように述べています。「富士通では、コンピューティングの将来に向けたイノベーションを強化しており、量子コンピューティング技術においても継続的な投資を行い、他者との戦略的なコラボレーションを活用して、世界初の誤り耐性量子コンピュータの開発に向けた、世界的な競争の最前線に立っています。 」

さらに同氏は、「オーストラリアは、量子コンピューティング分野に対する明確な国家戦略があり、富士通はそれに貢献していきます。私たちは量子コンピューティング技術を開発するだけでなく、それらをもとに、企業や研究機関とのコラボレーションを促進しており、次の量子コンピューティング技術のブレークスルーは、世界中の優秀な研究者のネットワークからもたらされると信じています」と語っています。

このMoUは、2023年5月に政府が初めて発表した、オーストラリアの国家量子戦略に沿ったものです。この戦略には、量子技術の活用に関するオーストラリアの、長期的ビジョンが示されており、量子研究への投資と成長、技術の商業化の推進、新たな量子インフラの支援が盛り込まれています。

オーストラリアの国立科学機関であるCSIRO(オーストラリア連邦科学産業研究機構)によると、国内の量子コンピューティング市場の年間売上高は、25億豪ドル(16億ドル)と推定され、2040年までにオーストラリア国内で、1万人の新規雇用を創出する可能性があるとのことです。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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