富士通がドイツ部門の「戦略的再編」を発表、プライベートクラウド事業をAequitaに売却

日本と米国事業部門の動きに追随

富士通は、ドイツにおけるサービス事業の「大幅再編」の一環として、ドイツ事業の一部を売却すると発表しました。

同社によると、この動きは「グローバル戦略に沿ったもの」であり、富士通グループ傘下の新組織が「適合・最適化」されたサービス・ポートフォリオを提供するとしています。

再編成の対象となるのは、パブリック・クラウド・サービス、Uvanceラインナップ、アプリケーション、BS2000メインフレーム関連サービスとなります。

この動きの一環として、ドイツのプライベート・エクイティ企業Aequitaは、プライベート・クラウドとITアプリケーション・サービスを企業向けに提供するFujitsu Services GmbHとその関連ポートフォリオを買収します。

買収は2024年初めに完了する予定です。取引条件に関しては明らかにされていません。

Aequitaによると、買収企業の昨年の収益は約2億ユーロ(2億1700万ドル)で、従業員数はおよそ1200人であるとのことです。

富士通は、Aequitaは買収したサービスポートフォリオの「さらなる発展」を約束したと話しています。また両社は、顧客の事業継続性を確保するために協力すると述べています。

富士通は、買収後のプライベート・クラウド・ソリューション、オンプレミス顧客環境向けマネージド・サービス、およびネットワークや運用を含むその他のマネージド・サービス・ソリューションは、フランクフルト地域にある同社のデータセンターで継続されると述べています。同じように、データセンターも手放すかどうかについては不明です。

富士通の欧州地域共同CEOである斉藤幹人氏は、次のように述べています。「富士通グループがグローバルなFUJITSU Uvanceポートフォリオで持続可能な変革のためのソリューション提供へのシフトを続ける中、Aequitはドイツにおける当社のプライベートクラウドサービスを引き継ぐ上で信頼できる選択でした」

「当社のビジネスと規制の厳しい業界のニーズに対するAequitaの深い理解により、当社の顧客は現在ドイツで利用可能な最も成熟したソリューションの1つを引き続き享受することができます」

Aequitaのマネージング・パートナーであるChristoph Himmel氏は、「Aequitaの長期的な価値創造への献身が認められ、富士通からベスト・オーナーに選ばれたことを大変誇りに思う」と付け加えています。

「当社のIT専門知識と経験豊富な従業員を基盤に、独立した機動的な独立組織へのシームレスな移行を確保するとともに、引き続き最高のサービス品質を顧客に提供していきます」

今年初め、富士通は「市場での規模と競争力がない」として、米国のデータセンター事業からの撤退を発表しました。代わりに、同社は大手パブリック・クラウド・プロバイダーと提携を結びました。一方、日本では先日、ニフクラを展開するパブリッククラウド部門、富士通クラウドテクノロジーズ株式会社を吸収合併すると発表したばかりです。

フランクフルト以外では、富士通は2010年にノイエンシュタットにデータセンターを立ち上げています。2019年、同社はネッカーズルム近郊にある別の施設を2024年までに閉鎖することを目指していると報じられました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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