StonepeakがAPAC向けDCビルダーDigital Edgeを発表
東京、大阪を皮切りに開始
ニューヨークを拠点とするプライベートエクイティ企業であるStonepeak Infrastructure Partnersは、APAC市場での新たなデータセンタービルダー「Digital Edge」を設立しました。これには、エクイニクス、Facebook、Tata、Macquarieなどのデータセンター系企業のエグゼクティブが経営陣として参加しています。
Digital Edgeは、大阪で12MW規模のサイトの開発と、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が保有する東京のデータセンターへの出資を皮切りに、APAC地域における施設の建設及び取得に関する10億ドルの開始資金を得ました。
“Been there, ran the data center, got the t-shirt(とっくに行われている)”
10億ドル規模のデータセンター系ベンチャー企業は珍しくありません。これは、4月にAPACでハイパースケールデータセンターを展開する目的で設立されたエクイニクスとGICによる10億ドル規模の合弁事業の発表に続き、今年に入り設立された2番目のベンチャー企業です。エクイニクスとGICは、2019年後半にヨーロッパ地域でのホールセールデータセンター展開に関する合弁を発表しましたが、これはそれに次く動きでした。また今年の5月には、投資会社のKKRが10億ドルを投じて、Global Technical Realtyを立ち上げています。
APAC地域は、世界最大かつ最も技術的に進歩し、そして最も急速に発展している市場であり、データセンター容量は急速に拡大しています。香港・シンガポールはこの地域で最も光海底ケーブルが集中し、世界各国への接続性が良好であり、また香港は中国市場へのアクセスのゲートウェイとされていることもあり、この急速な拡大は香港とシンガポールが牽引していると言えます。一方、日本は大きな国内市場と共に成長の可能性を秘めており、また人口13.5億人のインドでは、デジタルインフラへの依存度が高まっています。
新会社は、「この地域でデータセンターの開発を進める段階で欧米投資企業が直面する最大の困難は、ビジネス手法の文化的規範が欧米とは異なることであり、うまく事業進めていくうえでは、しばしば地元のパートナー企業の協力が必要になる」と述べています。
Digital Edgeの経営陣は、業界経験豊富な人材で構成されており、その多くはAPAC地域でのキャリアを積んでいます。エクイニクスの前社長のSamuel Lee氏が新会社のCEOに就任します。また同日本法人前社長の古田 敬氏、シンガポール・東南アジア地域の企業開発部門VPであったAndrew Rigoli氏、エクイニクスで17年間勤務し、最後の10年間を同じくAPACでの企業開発部門VPとして勤務したJonathan Choufrom氏、Facebookでデータセンターインフラストラクチャ部門VPを務めたJay Park氏、タタ・コミュニケーションズの元最高法務責任者John Freeman氏、および金融サービス会社のMacquarie Group(マッコーリー・グループ)で14年間マネージング・ディレクターを務めたJonathan Walbridge氏らが名を連ねています。
ニューヨークに本拠を置くStonepeakは、通信インフラストラクチャの管理経験と共に、公平性をもたらします。同社は北米のデータセンターサービスプロバイダーのCologix、およびヨーロッパの光ファイバ系プロバイダーのeuNetworksの過半数株式を保有しています。また最近では、カナダのブロードバンド企業Xplornet Communicationsを買収しました。
Samuel Lee氏は、Digital Edgeの経営陣はStonepeakとの協業に熱心であるとし、次のように述べています。「アジア太平洋地域でのデジタル格差を埋めるというビジョンを実現するための容量獲得の第一歩を完了した。東京と大阪での取引により、日本国内の2つの主要データセンター市場の顧客らにデュアルフットプリントを提供する。」
Stonepeakの専務取締役のBrian McMullen氏は次のように述べています。「アジア太平洋地域のデジタルインフラ市場は、需要が供給を上回り続けており、世界で最も急速に成長している。比類のない経験と卓越した開発実績を持つSamuelと彼のチームと提携できることを嬉しく思う。我々はDigital Edgeに投資し、我々の共通ビジョンを達成できるように支援していく。」
Data Center Dynamics
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