HPEの140億ドルのジュニパーネットワークス買収が確定

HPE、ジュニパーとアルバを統合しシスコらに対抗へ

HPEは、ネットワーク機器メーカーのジュニパーネットワークスを140億ドルで買収することを明らかにしました。

買収間近との報道が流れた後、両社は今週、全額現金によるこの買収について認めました。買収は両社の取締役会で承認されています。

この買収により、HPEのネットワーク事業は二倍に拡大します。両社は「包括的なポートフォリオを持つ新たなネットワーキング・リーダーを誕生させる」と述べています。

「AIや ハイブリッド・クラウド主導型ビジネスの爆発的な拡大により、企業のデータをエッジからクラウドまで接続、保護、分析する安全で統合されたテクノロジー・ソリューションへの需要が加速している」とHPEは述べています。

この取引に関する資金調達として、新規借入金、強制転換優先証券、バランスシート上の現金の組み合わせが充当される予定です。この買収取引は、規制当局の承認、ジュニパーの株主の承認、その他慣例的な買収完了条件を満たした上で、2024年後半から2025年前半に完了する見込みとなっています。

HPEのAntonio Neri CEOは、次のように述べています。「HPEによるジュニパーの買収は、業界における重要な転換点を意味し、ネットワーキング市場のダイナミクスを変え、顧客とパートナーに、最も厳しい要求に応える新たな選択肢をもたらすでしょう」

「今回の買収は、加速するマクロAIトレンドの結節点におけるHPEのポジションを強化し、当社の総取扱可能市場を拡大し、AIネイティブとクラウドネイティブ世界の架け橋となることで、顧客にさらなるイノベーションをもたらすとともに、株主にも大きな価値をもたらすでしょう。業界内でイノベーションを推進してきた実績を持ち、補完的なポートフォリオを持つ2社を統合するにあたり、ジュニパーの優秀な従業員を当社のチームに迎え入れることをうれしく思います」

ジュニパーのRami Rahim CEOは、統合後のHPEネットワーキング事業を率い、Neri氏の直属の部下となります。

「当社の革新的かつセキュアなAIネイティブ・ソリューションへの複数年にわたる注力は、ジュニパーネットワークスの卓越した業績を牽引してきました」と、ジュニパーのRahim氏は述べています。「当社は卓越したユーザーエクスペリエンスの提供や オペレーションの簡素化に成功しており、HPEに加わることで、次のフェーズへの歩みを加速できると確信しています。さらに、この合併は、意義ある全額現金のプレミアムを通じて、株主価値を最大化します。HPEの優秀なチームと協力し、キャンパス、拠点、データセンター、ワイドエリアネットワークなど、あらゆる領域で企業、サービスプロバイダー、クラウドの顧客に向け、イノベーションを推進していけることを楽しみにしています」


1996年に設立され、カリフォルニア州サニーベールに拠点を置くNYSE上場のジュニパーネットワークスは、ルーター、スイッチ、ネットワーク管理ソフトウェア、ネットワーク・セキュリティ製品、Software-Defined Networking(SDN)技術などのネットワーク製品を提供しています。

HPEは、ヒューレット・パッカードが2社に分割される直前の2015年に買収したアルバネットワークス部門を通じてスイッチを提供しています。ジュニパーの買収により、HPEはAI(人工知能)業界への進出をより有利に進めることができると報じられています。

2015年にHPから分離されて以来、HPEはSGI、クレイ、SimpliVity、Nimble Storageなどを買収してきました。今回の買収は、HPEが独立企業となって以来最大規模の買収となり、HPの長い歴史の中でも最大級のものとなります。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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