アフリカは需要に対し1000MW、データセンター700棟が必要
ADCA/Xalam Analytics 調査レポート
アフリカでは、増大する需要に対し、南アフリカの容量や密度と同等レベル条件を大陸の他の地域にももたらすために、合計1000MW、700施設が必要とされている。アフリカデータセンター協会(African Data Centres Association:ADCA)とXalam Analyticsが纏めた新しいレポートではこのように報告されました。
「新しい10年の始まりにおいて、アフリカは、現在利用可能なデータセンター容量よりもはるかに多くの データセンター 容量が必要であることがますます認識されてきている」Growing Africa’s Data Center Ecosystem: An Assessment Of Utility Requirements(成長するアフリカのデータセンターエコシステム:ユーティリティ要件の評価)レポートではこのように述べられています。「ホスティング容量が必要性とされる理由の多くは、地域経済や社会組織の変革や、あるいは既存インフラストラクチャに対するかなりの圧力がかかっていたりといった、数多くの時代の大きな流れの結果に基づく構造的な要因である」
アフリカのブロードバンド利用ユーザ数は今後10年間で2倍になると予想され、2016年以降、市場の成長に対応するため、アフリカ大陸全体で30を超えるTier III以上のマルチテナント施設が開設され、地域のホスティング容量を実質的に2倍に引き上げました。しかし、容量については不均一な状態です。人口が100万人を超えるアフリカの80以上の都市のうち、 Tier III標準のデータセンター施設が少なくとも1つあるのは、そのわずか3分の1に留まっています。
「アフリカのデータセンター容量の幅を広げることは、レイテンシ(遅延)を短縮し、アフリカ大陸内のトラフィックフローを最適化し、アフリカのより広範な経済的サプライチェーンの中での運用コストを削減するための基本となる」とレポートは補足います。
アフリカは不均一なデータセンター欠乏に直面
アフリカ大陸の容量の3分の2以上は南アフリカ国内に集中しています。エジプト、ナイジェリア、ケニア、モロッコも、大陸の他の国に比べて施設が集中しています。モーリシャスには、その規模や人口、特に隣接するマダガスカルと比較して、膨大な数のデータセンターが存在します。Xalamは、サハラ以南のアフリカの経済的生産量とブロードバンド接続のほぼ半分が、既存のデータセンター供給のわずか10パーセントで提供されてると推定しています。レポートでは、15か国で5MWから10MW程度のデータセンター容量が不足し、20か国で10MWを超える容量不足に直面しているとされています。
レポートは、潜在的なベンチマークとしてインド、南アフリカ、オランダを使い、人口、GDP、ブロードバンド容量と普及率などの変数に基づいてアフリカのデータセンター容量要件をモデル化しています。現在のインドの容量と密度に相当するデータセンターの展望を実現するには、アフリカは今後10年間で合計140万平方メートル、最大で80施設(施設あたりの平均容量を3MWと想定した場合)、合計容量で120MW程度のマルチテナントデータセンターを追加する必要があります。大陸全体が南アフリカと同等レベルになるには、大陸の残りの部分で1GWが必要とされ、これは約700施設、面積350万平方メートル(3670万平方フィート)に相当します。
しかし、レポートでは、意味のある規模のデータセンター施設に対するアフリカの電力、土地、および水要件は、国家や地域、および各地方レベルでの政府の関与無しには達成が難しいだろうと警告しています。Xalamの別の文書では、南アフリカは現在深刻な電力危機に直面しており、電力会社Eskomは2020年にグリッド全体の崩壊を回避するために6GW(利用可能な容量の約15%)の電力抑制を余儀なくされたと述べています。
Data Center Dynamics
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