インテル、サーバー事業を台湾MiTAC社に売却へ

また、SoC設計におけるArm社との協業を発表

インテルは、サーバー事業を、台湾の電子機器メーカーTyanの親会社であるMiTAC社に売却すると発表しました。

MiTACとの契約金額については、明らかにされていません。また、今回の売却は同社のサーバー向けチップの開発には影響を及ぼしません。

今後、MiTACはインテルの設計に基づく製品を製造・販売することとなります。

インテルはServeTheHomeに対して次のような公式コメントを発表しています。「IDM 2.0戦略への投資を優先するインテルの継続的な取り組みに伴い、当社はデータセンターソリューショングループ（DSG）を売却するという難しい決断を下しました。この計画の一環として、DSGの長年のODMパートナーであるエッジ・トゥ・クラウドITソリューション・プロバイダーのMiTACが、当社の設計に基づく製品を製造・販売する権利を持つことになります。我々は、この移行期間中、DSGのチームとその関係者に対するサポートを保証することに専念します」

今回の動きは、インテルが「IDM 2.0」の一環として、非主力なデータセンター業務全般から軸足を移すことを計画している中での最新のものとなります。2021年にPat Gelsinger氏がCEOに就任して以来、IntelはOptane事業、SSD事業、ネットワークスイッチ事業を廃止し、また5Gモデムから撤退してきました。

インテルの提供するサーバーは、そのほとんどが米国外で販売されており、特に南米で人気がありました。サーバーは、一般的な用途のサーバーと、同社のXeon Platinum 9200シリーズのCPUを搭載した、ヘビーデューティーやハイパフォーマンスコンピューティング用途のシステム、GPUやアクセラレータをサポートしたシステムなどが混在していました。

また同社は2022年11月に2023年に登場するSapphire Rapids Xeon CPUを発表し、その後、米国エネルギー省のスーパーコンピュータ「Kestrel」に搭載されました。

Intel Foundry ServicesがSoC設計でArmと協業

同社はまた、低消費電力コンピュート・システム・オン・チップ（SoC）をインテル18Aプロセスで構築できるようにするため、Arm社と協業しています。

Intel 18Aには、同社のPowerViaパワーデリバリーシステムとRibbonFETゲートアラウンド型トランジスターアーキテクチャが含まれています。今回の協業により、両社はモバイル向けリファレンスデザインを開発し、インテルのオープンシステム・ファウンドリーモデルを活用する予定です。

同社によると、このコラボレーションは、当初はモバイルSoC設計にフォーカスするが、将来的には自動車、IoT（Internet of Things）、データセンター、航空宇宙、政府機関のアプリケーションにも視野を広げる可能性があるとのことです。

インテルのCEOであるPat Gelsinger氏は次のように述べています。「あらゆるもののデジタル化に伴い、コンピューティング・パワーに対する需要が高まっていますが、これまでファブレスの顧客は、最先端のモバイル技術を中心に設計するための選択肢が限られていました。インテルとArmのコラボレーションは、Intel Foundry Services（IFS）の市場機会を拡大し、クラス最高のCPU IPと最先端のプロセス技術を持つオープンシステムファウンドリの力を利用したいと考えるあらゆるファブレス企業に新しい選択肢とアプローチを提供することになります」

また、ArmのCEOであるRene Haas氏は次のように述べています。「Armのセキュアかつエネルギー効率に優れたプロセッサは、数千億台のデバイスとこの星のデジタル体験の中核を担っています。コンピューティングや 効率に対する要求がますます複雑になる中、我々の業界は多くの新たなレベルでイノベーションを起こす必要があります。ArmとIntelの協業により、IFSは、Arm上に構築された世界を変える次世代の製品を提供する上で、お客様にとって重要なファウンドリパートナーとなります」

今回の協業により、IFSとArmは、Intel 18AプロセステクノロジーをターゲットとしたArmコアのDesign Technology Cooptimization (DTCO)を行うことになります。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。